HubSpotワークフローとは?設定方法から活用例まで徹底解説
- HubSpot
- 効率化
2025.02.12
2025.02.12
日々の業務の中で、「この業務はもっと効率化できないかな」と思うことはありませんか?
HubSpotが提供する「ワークフロー機能」は、マーケティング、営業、カスタマーサービスなどにおける業務を自動化し、時間やコストを大幅に削減してくれるツールです。
本記事では、HubSpotのワークフロー機能の設定方法や具体的な活用例について徹底解説します。
こんな方におすすめ
- 日々の業務を効率化したいマーケティング、営業、カスタマーサービス担当者
- リード育成や顧客対応を自動化したいと考えている企業の経営者
- リード育成や顧客対応を自動化したいと考えている企業の経営者
業務効率化にお困りですか?
- ・ ワークフローをうまく活用できていない
- ・ HubSpotで業務を自動化したい
- ・ ワークフローで何ができるかわからない
このような課題に直面している方はHubSpot認定パートナーのナウビレッジへご相談ください。
HubSpotのプロフェッショナルが貴社の状況やニーズに応じて適切なプランや解決策をご提示し、伴走型支援によるスムーズな定着を実現します。
目次
HubSpotのワークフローとは
HubSpotのワークフロー機能とは
HubSpotに搭載されている「ワークフロー機能」とは、特定の条件(トリガー)を起点として、一連のアクション(顧客データの管理、Eメール送信、タスク生成など)を自動で実行する仕組みを構築する機能です。
ワークフローは、顧客対応の最適化やチームの生産性向上、さらにはデータ管理の精度を高めたいといった場合に効果を発揮します。
HubSpotでは主に、
- 特定条件(トリガー)
- アクション(通常アクション、分岐、遅延)
の2つの要素で構成します。
マーケティング、営業、カスタマーサービスのすべての方が使用できる機能で、定型業務や更新漏れを防ぎたい場合などに活用されることが多いです。
ちなみに、HubSpotには「シーケンス」というワークフローと類似した機能があります。
シーケンスとワークフローは、「業務の効率化をするための機能」という点では共通していますが、明確な違いは「ワークフローは組織全体における業務効率化のための機能で、1対多数のコミュニケーションをメインとした機能」であり、「シーケンスは営業活動における業務効率化のための機能となり、1対1のコミュニケーションをメインとした機能」であるという点です。
そのほかにも細かな違いはありますが、大きくはこの違いであるということを認識しておきましょう。
ワークフローの利用が可能な料金プラン
HubSpotのワークフロー機能は、以下の製品・プランにて使用することができます。
Marketing Hub | Sales Hub | Service Hub | Operations Hub | |
---|---|---|---|---|
無料 | ー | ー | ー | ー |
Starter | ー | ー | ー | ー |
Professional | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Enterprise | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
無料プランやStarterプランでは活用することができず、Professionalプラン以上から活用することができます。
また、Content Hubのみ導入されている場合は、ワークフロー機能は利用できません。
HubSpotのワークフローでできること
HubSpotのワークフロー機能では、大きく3つのことを実現できます。
ここでは、具体的な活用シーンを交えながら解説します。
顧客との接点を最適化する
企業が顧客との良好な関係を築くためには、各チームの担当者それぞれが、タイムリーかつ適切なアプローチを継続することが重要です。
しかし、さまざまな業務の中では、タイムリーかつ適切なアプローチというのはなかなか難しいものです。
そこでHubSpotのワークフロー機能を活用すれば、このようなコミュニケーションを自動化することが可能です。
◆Eメールの自動送信(マーケティング、営業、カスタマーサービスで共通)
(例)
- マーケティング
新規リードのアクションに対するサンクスメールやウェルカムメールの送信 - 営業・カスタマーサービス
「資料請求のお礼メール」や「イベント参加のお礼メール」などのフォローアップメールの送信
このように、これまで手動で送信していた手間を省きながら、迅速で一貫した対応ができるため顧客のエンゲージメント向上にもつながります。
チームの生産性を向上させる
マーケティング、営業、カスタマーサービスなど組織を構成する各チームで、日々の業務を効率化することは全体の生産性を高めるために非常に重要です。
HubSpotのワークフローを活用すれば、単調な業務や繰り返し発生する業務を自動化し、より時間をかけたい作業に集中するための環境を整えることができます。
◆繰り返しタスクの自動生成
(例)
- マーケティング
ウェビナー対応や定期メルマガなどに関するタスクやリマインダーの設定 - 営業
商談後のフォローアップ対応や定期タスクのリマインダーの設定 - カスタマーサービス
更新案内やアンケート調査などの定期タスクのリマインダー設定
◆リードスコアリングの自動化
- 顧客の行動データや属性データに基づいてスコアを付与し、優先度の高いリードを自動抽出
- 高いスコアのリードを営業チームに通知する設定
関連記事:
📚HubSpotのスコアリング機能とは? リード評価から設定方法・活用法まで徹底解説
データ管理を効率化する
企業が扱う膨大なデータを正確かつタイムリーに管理することは、業務効率化の鍵です。HubSpotのワークフローは、データの更新や整理を自動化することで、CRMのデータを常に最新の状態に保つことができます。
◆データの更新や管理の自動化
(例)
- 顧客が新規契約を締結した際のライフサイクルステージの自動更新(「リード」から「顧客」に更新)
- 特定の条件に応じたプロパティの自動更新
- 不足データ発見時の自動補完(顧客の住所や電話番号が登録されていない場合に、自動で担当者にタスクを割り当てる)
HubSpotでのワークフロー作成手順
今回は、「資料ダウンロード用フォームを送信してくれた方に対して、サンクスメールを自動送信する」ためのワークフローを作成します。
ワークフローは、テンプレートを用いて作成するか、ゼロベースから作成するかの2種類で作成できますが、今回は「ゼロから作成」の手順をご紹介します。
大まかな手順は以下になります。
Step1:オブジェクトを選択する
Step2:ワークフローのトリガーを選択する
Step3:アクションを追加する
Step4:ワークフローを有効化する
まず、ワークフロー設定画面へ移行します。
①HubSpot管理画面の左サイドメニューより、[自動化] > [ワークフロー] にアクセスする

②右上の[ワークフローを作成] をクリックし、[ゼロから作成] をクリックする

※ここで「テンプレートから作成」を選択すると、31種類のテンプレートからワークフローのベースを選ぶことができます。

Step1:オブジェクトを選択する
③[コンタクトベース] > [空白のワークフロー] にチェックを入れ、[次へ] をクリックする

④ワークフロー作成画面に移行するので、上部のワークフロー名をクリックし、名称を変更する
※ここで設定する名称は、内部管理用の名称ですので、外部に公開されることはありません
(例:「フォーム送信後にサンクスEメールを送信)

Step2:ワークフローのトリガーを選択する
⑤トリガーをクリックすると左側に設定画面が表示されるので、「登録」の中の [イベントの発生時] をクリックする

⑥トリガーの条件として「フォーム送信」をクリックする

⑦ [+条件を追加] をクリックし、対象のフォームを設定する

⑧該当するフォームの形式を選択する(今回は、「フォーム名」を選択する)
※なお、フォームは以下の形式より選択可能・URLドメイン
・URLパス
・フォーム名
・ブラウザー
・ページ名
・ベースURL
・国

⑨該当のフォームにチェックを入れる

フォーム選択後は下記のようになります。
ここまでの設定では、「資料ダウンロード用フォームを送信してくれた方に対して、サンクスメールを自動送信する」設定のうち「資料ダウンロード用フォームを送信してくれた方」を指定するところまで完了しています。
次の設定では「サンクスメールを自動送信する」ための設定を行います。

tep3:アクションを追加する
⑩ [+条件を追加] をクリックし、「コミュニケーション」を選択する

⑪ [Eメールを送信] をクリックする

⑫送信者は「登録されたコンタクト」にチェックを入れ、自動送信Eメールは該当の「サンクスメール」を選択する

⑬最後に [保存] をクリックして、設定完了
![最後に 保存]をクリックして設定完了](https://marketing-spot.now-village.jp/wp-content/uploads/2025/01/screenshot-app_hubspot_com-2025_01_22-18_14_23-1024x486.png)
※下記のような画面になっていれば設定がうまくできています

Step4:ワークフローを有効化する
⑭右上の [確認と公開] をクリックする

HubSpotワークフロー設定時の注意点
ワークフローを複雑化しすぎない
ワークフローの分岐(条件)やアクションは、増やしすぎると複雑化してしまい管理が非常に難しくなります。
例えば、1つのワークフローの中で10以上の条件を設定すると、もしワークフロー実行時にトラブルが発生しても、原因の特定に時間がかかる可能性があります。
まずはシンプルなフローの設計から始め、必要に応じて分岐を少しずつ追加するのがベストです。
〈良い例〉
フォーム送信者(トリガー)に対し、自動でお礼メールを1通送信する(アクション)
〈悪い例〉
フォーム送信者を条件で10種類に分類(トリガー)し、それぞれ異なるフォローメールを送信する(アクション)
ワークフローの再登録設定を確認
ワークフローを設定する際には、対象者が再度登録される条件(再登録の可否)を正確に設定する必要があります。再登録が適切に設定されていないと、同じ顧客に繰り返しメールが送信されてしまい、不快感を与える恐れがあるため注意が必要です。
〈例〉契約更新のリマインドメールを送るワークフローの場合
・「契約日が変更された場合のみ再登録可能」と設定する
・再登録を許可しない場合、2回目以降のリマインダーが届きません
遅延の活用
ワークフローにおける「遅延」とは、ワークフローアクションを実行する間隔やEメール送信のタイミングを設定するための機能です。
「遅延」の設定により顧客がアクションを取るまでの猶予期間を設けることで、自然なプロセスを作ることができます。
〈例〉
ウェビナ―への申し込みをしてくれた顧客に対してサンクスメールを送信後、ウェビナーの前日に「明日はウェビナーです。視聴用URLはこちらです」というリマインドメールを送るよう設定する
この時、「ウェビナーの前日にリマインドメールを送る」という部分を遅延設定します。
2025年5月25日がウェビナー開催日であれば、「2025年5月24日にリマインドメールを送る」というアクションを遅延設定します。
この遅延設定をしておかないと、「明日はウェビナーです。視聴用URLはこちらです」というメールがウェビナー申込直後に顧客に送付されてしまいます。
参考:
HubSpotナレッジベース|ワークフローで遅延を使用する
関連記事:
📚HubSpotとZoomを連携してウェビナー運営を効率化!
定期的なメンテナンスと更新
一度作成したワークフローは、時間とともに現状に合わなくなることがあります。
定期的に見直し、業務フローの更新があった場合には再度設定し直すなど、定期的にメンテナンス・更新をするようにしましょう。
〈例〉
・過去のキャンペーン用ワークフローが未使用のまま残っている場合、それを削除または再設定する
・商品の販売プロセス更新に合わせて、ワークフローも更新する
ワークフロー上限数の把握
HubSpotの料金プランごとに、作成できるワークフローの上限数が異なります。
そのため、無計画に作成していくとすぐに上限に達してしまい、重要なワークフローを追加できなくなることがあります。
まずは自社で契約しているプランの上限数を確認・把握しましょう。そして、優先度の低いワークフローがある場合は削除するなどの対応をしましょう。
HubSpotワークフローの活用事例
実際に、HubSpotのワークフロー活用事例を挙げてみます。
自社の業務効率化で参考になりそうなものがあれば、ぜひ取り入れてみてください。
業務管轄 | 活用例 |
---|---|
マーケティング業務 | – リード育成メールの自動化 – ウェビナー参加者へのフォローメール送信 – キャンペーン登録者への一斉メール送信 – コンテンツダウンロード後のフォローメール送信 |
営業業務 | – 商談フォローアップのタスク生成 – 契約更新リマインダーの自動送信 – リードスコアが一定値に達した際の営業担当者への通知 – 見込み顧客の未対応アクションを営業チームに通知 |
カスタマーサービス業務 | – 問い合わせの自動対応プロセス – 顧客満足度調査メールの自動送信 – サポートチケットの進捗状況を担当者に通知 – 解決済みサポートチケットのクローズ処理の自動化 |
内部通知(社内通知) | – 顧客の住所や電話番号が登録されていない場合に、担当者にタスクを自動割り当て – 商談が一定期間更新されていない場合にリマインド通知 – 顧客の属性が更新された際の営業チームへの通知 |
データ管理 | – 顧客プロパティ(例:購入履歴や契約状況)の自動更新 – データの正規化(例:日付や住所形式の統一) – リードスコアのリアルタイム更新 – フォーム送信時のプロパティ値の割り当て |
HubSpotのワークフローを上手に活用して業務効率をUPしよう
いかがでしたか?
HubSpotのワークフロー機能は、マーケティング、営業、カスタマーサービスなどにおける業務を自動化し、時間やコストを大幅に削減してくれるツールです。
目的や用途にあわせて上手に活用することで、組織全体の業務効率化と生産性向上が見込めますので、ぜひ活用してみてください。
この記事を監修した人
髙山博樹
ナウビレッジ株式会社 取締役CMO
上場企業で勤務後、ナウビレッジ創業メンバーとして参画。 2年でマーケティングコンサルタントとして企業規模、業界に関わらず50社支援し、150のプロジェクトを経験。 マーケティング戦略の策定から実行(サイト制作や広告運用、SEOなど)に携わる。 CMOとしても自社のマーケティング領域におけるリード獲得やコンテンツ制作を担い、そこで得た知見を活用して社内外のマーケティング活動に役立てている。HubSpot導入支援サービスの責任者。
業務効率化にお困りですか?
- ・ ワークフローをうまく活用できていない
- ・ HubSpotで業務を自動化したい
- ・ ワークフローで何ができるかわからない
このような課題に直面している方はHubSpot認定パートナーのナウビレッジへご相談ください。
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