SaaS企業必見!HubSpot CRMで顧客・契約・ライセンス管理を効率化
- HubSpot
- SaaS業界
2025.06.10
2025.06.12
SaaS(Software as a Service)事業では、サービス利用者(顧客)との良好で持続的な関係を構築していくことが非常に重要です。
そのための基盤となるのが「顧客管理」です。
この顧客管理をCRMを活用して行いたいという企業も多いのではないでしょうか。
そこで、多くのSaaS企業が採用しているCRMのひとつが「HubSpot CRM」です。
HubSpot CRMを活用することで、顧客管理やサブスクリプションの契約状況管理はもちろん、マーケティングや営業、カスタマーサポートの業務も一元管理することができ、業務効率と収益性を大幅に向上できます。
本記事では、SaaS事業の特性を踏まえながら、HubSpot CRMの活用イメージを具体的に解説していきます。
こんな方におすすめ
- SaaS企業で顧客管理や契約更新の効率化を検討している方
- 顧客のLTV(顧客生涯価値)向上を目指す方
- 解約率を下げ、契約継続率を向上させたい方
SaaS業でのCRM選定にお困りですか?
- ・自社に合うツールがわからない
- ・ 現状のシステムを使い切れていない
- ・ HubSpotの詳細について聞きたい
このような課題に直面している方はHubSpot認定パートナーのナウビレッジへご相談ください。
HubSpotのプロフェッショナルが貴社の状況やニーズに応じて適切なプランや解決策をご提示し、伴走型支援によるスムーズな定着を実現します。
目次
SaaS事業のビジネスモデル

SaaSとは「Software as a Service」の略で、インターネット経由で利用できるクラウド上のソフトウェアをユーザーが利用できるサービスです。
SaaSビジネスは、従来の売り切り型のソフトウェア提供とは異なり、「サブスクリプション」によるライセンス提供が基本となります。
多くの製品では、複数のプランが用意されており、顧客は自分の目的や用途にあわせてプランを選べるようになっています。
利用者は、月額または年額で利用料金を支払い、必要に応じて契約を更新・解約します。
このSaaSビジネスのモデルでは、新規顧客の獲得とともに、既存顧客の維持(通称:リテンション)が重要になってきます。
新規顧客を増やすだけではなく、「解約を防ぎ、長期的な関係性を築き、収益を最大化する」ことがSaaS企業の収益向上における大きなポイントとなります。
そのため、顧客情報(契約状況、サポート状況など)の管理を行うためのCRM(顧客関係管理)ツールの活用が不可欠なのです。
Saas事業の顧客管理で重要なKPI
SaaS事業の顧客管理では、KPI(重要業績評価指標)も重要です。
KPIを定期的にモニタリングすることで、定量的に伸びている指標や悪化している指標を把握して、さらなる向上・改善につなげることができます。
SaaS企業のKPIには次のようなものがあります。
・月間利用収益(MRR)
・顧客獲得費用(CAC)
・顧客生涯価値(LTV)
・解約率(Churn Rate/チャーン率)
・売上継続率(NRR)
・ユニットエコノミクス
・SaaS継続率(リテンション率)
それぞれについて解説していきます。
月間利用収益(MRR)
MRR(Monthly Recurring Revenue)は、サブスクリプション型のビジネスでの「毎月の定期収益(安定して得られる売上)」です。
SaaSの事業成長を測る基本的な指標であり、新規契約やアップセルにより増やすことができます。
計算式
MRR = 1顧客あたりの月額課金額 × 顧客数
例
月額5,000円のプランに1,000人が契約
→ MRR = 5,000円 × 1,000人 = 500万円
顧客獲得費用(CAC)
CAC(Customer Acquisition Cost)は、「1人の顧客を獲得するのにかかった費用」です。
集客のための広告配信やキャンペーン、営業活動などにかかった総費用を、新規顧客数で割って算出します。
CACが高すぎると利益が出にくくなるため、より効率的なマーケティング/営業戦略が必要と判断できます。
計算式
CAC = 新規顧客獲得にかかった総コスト ÷ 獲得した新規顧客数
例
100万円の広告費で100人の新規顧客を獲得
→ CAC = 1,000,000円 ÷ 100人 = 1万円
顧客生涯価値(LTV)
LTV(Lifetime Value)は、「1人の顧客が生涯でもたらす利益」です。
顧客がサービスを利用し続ける期間と、1ヶ月あたりの収益を掛けて算出します。
LTVが高いほど長期的な収益が見込めると判断できます。
計算式
LTV = 平均月額課金額 × 平均契約継続月数
例
月額5,000円 × 平均継続期間24ヶ月
→ LTV = 5,000円 × 24ヶ月 = 12万円
解約率(Churn Rate/チャーン率)
解約率(チャーン率)は、「一定期間内に解約した顧客の割合」です。
解約率が高いとMRRが伸び悩むため、顧客のサポート強化やサービス自体の改善が必要と判断できます。
計算式
Churn Rate = (解約した顧客数 ÷ 期初の顧客数)× 100
例
月初に1,000人の契約者がいて、月末に50人が解約
→ 解約率 = (50人 ÷ 1,000人)× 100 = 5%
売上継続率(NRR)
NRR(Net Revenue Retention)は、「既存顧客からの売上の増減を測定する指標」です。
解約やダウングレードを考慮しつつ、アップセルやクロスセルでどれだけ売上が伸びているかを測ります。
計算式
NRR = (期初のMRR + アップセル – ダウングレード – 解約)÷ 期初のMRR × 100
例
期初MRR100万円、アップセルで+20万円、ダウングレード-5万円、解約-10万円
→ NRR = {100万円 + 20万円 -(-5万円)-(-10万円)}÷ 100万円 × 100 = 105%
ユニットエコノミクス
ユニットエコノミクスは、「1人の顧客や1社あたりの採算性を示す指標」です。
顧客を獲得するために費やすコストと、顧客獲得後に得られる収益とのバランスを可視化し、そこからどの商品やプランが儲かっているのかを判断することができます。
計算式
ユニットエコノミクス = LTV ÷ CAC
例
LTV = 12万円、CAC = 3万円
→ ユニットエコノミクス = LTV ÷ CAC = 4
SaaS継続率(リテンション率)
SaaS継続率(リテンション率)は、「解約せずにサービスを継続している顧客の割合」です。
リテンション率が高いほど、安定した収益が確保できる事業や製品であると判断できます。
計算式
リテンション率 = (期末の顧客数 ÷ 期初の顧客数)× 100
例
1,000人の顧客のうち、950人が継続
→ リテンション率 = (950人 ÷ 1,000人)× 100 = 95%
SaaS事業に利用できるCRM4選
先述したように、SaaS事業を行う企業としては「顧客との長期的な関係性を築くこと」が収益を最大化するためのポイントです。
その中核を担うのがCRM(顧客関係管理)ツールです。
ここでは、SaaS企業に適した代表的なCRMを4つご紹介します。
ツール名 | 特徴 | 価格帯 | サポート |
---|---|---|---|
HubSpot | ・無料から始められる ・直感的なUI ・CRMをベースにSFA、MA、コマースなどの機能との連携やデータ統合が強み | ●月間契約 月額¥2,400~ ●年間契約 月額¥1,800~ ※無料版あり | ◎ |
Kintone | ・業務アプリをノーコードで構築 ・柔軟なCRM構築が可能 | ●ライトコース 月額¥1,000(税抜) ●スタンダードコース 月額¥1,800(税抜) ●ワイドコース 月額¥3,000(税抜) ※お試しコースあり | 〇 |
Salesforce Sales Cloud | ・カスタマイズ性が高い ・Account Engagement(旧Pardot)との連携でMA強化も可能 | ●starterエディション 月額¥3,000(税抜)/ユーザー ●Pro Suiteエディション 月額¥12,000(税抜)/ユーザー ●Enterpriseエディション 月額¥19,800(税抜)/ユーザー ●Unlimitedエディション 月額¥39,600(税抜)/ユーザー ●Einstein 1 Salesエディション 月額¥60,000(税抜)/ユーザー | ◎ |
Zoho CRM | ・多機能 ・Zoho製品との連携が強み | 月額 2,400円~ 年額 1,800円~ | 〇 |
Pipedrive | ・営業特化のCRM ・シンプルなUI ・視覚的なパイプラインが強み | 月額 2,400円~ 年額 1,800円~ | △ メール・チャット対応が中心。やや英語多め。 |
SaaS事業におけるCRM選定の注意点
ここでは、SaaS企業がCRMを選定する際に特に重視すべき3つのポイントに焦点を当てて解説します。
契約・継続・解約情報を管理できる設計か
SaaS企業の本質的な収益は、「継続」から生まれます。
SaaSモデルでは、新規契約以上に「継続課金」「プランのアップセル」「解約防止」が事業の命綱です。
そのため、CRMには単なる顧客管理や案件管理の要素だけでなく、契約状態・更新予定・解約兆候などのすべてのデータを一元管理できる設計が求められます。
つまり、CRMを「一般的な顧客管理・案件管理」と位置付けて検討するのではなく、「契約・継続状況を把握するためのハブ」になるか、ならないかという点に焦点を当てて検討すると良いでしょう。
チェックすべきポイント
・契約開始日・終了日・更新日などが顧客情報に紐付けて記録できるか
・月次・年次・契約期間の種別を柔軟に設計できるか
・解約率や解約日時をもとに定量的に分析できる機能があるか
・決済プラットフォームとの連携ができるか(例:Stripeなど)
ありがちな落とし穴
・案件管理しか想定されておらず、契約後のフェーズがCRM外で管理される
・契約・請求データが外部システムに分断される
・外部連携が多くなり、更新や解約状況の把握にタイムラグが出る
CRMがMAやSFAとスムーズに連携できるか
CRMがMA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援ツール)とスムーズに連携できるかどうかも、重要な選定ポイントとなります。
SaaS事業では、「リード獲得 → 商談 → 契約 → 利用開始 → 継続または解約」といった一連のプロセスにおいて、あらゆる顧客接点からデータが発生します。
これらのデータをCRMで一元管理し、各部門間で連携をとり、総出で顧客へアプローチしていくことで、契約率や継続率の向上が期待できます。
チェックすべきポイント
・顧客データの一元管理ができているか
・部門横断の情報共有ができるか(MAやSFAなどと連携ができるか)
・「見込み客」「契約中の顧客」「解約した顧客」など顧客のステータスに合わせて、必要な情報を見やすく切り替えられるかどうか
ありがちな落とし穴
・CRMに情報はあるが、それがうまく活用されていない
・部門間でCRMの活用方針がバラバラでうまく連携できていない
カスタマーサポートやヘルプデスクとの連携ができるか
SaaS企業では、利用者が契約してくれた後のフェーズ(定期フォロー・LTV向上)が非常に重要です。
「契約後にお客様に成果を出してもらい、継続利用・追加契約してもらうこと」がビジネスの生命線だからです。
この「後」のフェーズでは、カスタマーサクセスチーム(またはヘルプデスクチーム)が活躍します。
そのため、マーケティングや営業チームだけでなく、「カスタマーサーサクセスチームも使いやすいCRMかどうか」が非常に重要となってきます。
一部のCRMは、営業チームの利便性を起点に設計されており、カスタマーサクセスチームの業務(顧客からの問い合わせ対応、エラー対応、更新提案など)に最適化されていないケースが少なくありませんので、注意が必要です。
チェックすべきポイント
・顧客の利用フェーズ(契約直後/3ヶ月目/更新時など)や利用プランを管理できるか
・タスク・メモ・過去対応履歴を蓄積できるか
・利用状況やスコアをもとに「今誰にアクションすべきか」を判断できるか
・マーケティング、営業、カスタマーサクセスチームの3者間で顧客情報を共有できるか(会話の履歴・ステータス・問い合わせ内容など)
ありがちな落とし穴
・CRMとは別にカスタマーサクセス専用ツールを使い、情報が分断されてしまう
・営業の案件管理までしかできず、契約後のプロセスを追えない
・上記の機能がない
レポート機能・KPI可視化が実用的か
先述したように、SaaS企業が設定するKPIは、一般的なビジネスモデルと比較するとやや複雑です。
そのため、「数字の見える化」がしやすいCRMツールを選択することが大切になってきます。
SaaS特有のKPI(MRR、CAC、LTV、解約率など)は、CRM内の情報をもとに即時に可視化されるべきです。
チェックすべきポイント
・顧客・案件・契約情報をもとに、SaaS特有の指標を可視化できるか
・セグメント(業種・社員数・獲得チャネルなど)ごとのLTVや解約率分析ができるか
・ダッシュボードが部門ごとに分けて表示でき、経営層・営業・カスタマーサービスが各自のKPIを追えるか
・外部BIツール(Looker Studio、Tableauなど)との連携に対応しているか
ありがちな落とし穴
・CRMのレポート機能の不足により「表面的な件数集計」だけで終わってしまう
・より具体の分析をしたい場合、結局Excelに出力して分析する必要がある
・MAやCSツールとのデータ連携が不十分で、全体のKPIが正しく集計できない
このような注意点を意識して選定するとともに、まずは無料プランやトライアルから導入し、事前に機能や使用感を確認しておくと良いでしょう。
SaaS事業におけるHubSpot CRMの活用イメージ

SaaS企業の業務におけるHubSpotの活用シーンを以下の7つに分類して解説します。
・顧客管理(法人・個人)
・マーケティング(利用者集客)
・リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
・営業(案件管理)
・予実管理
・カスタマーサポート(カスタマーサクセス・ヘルプデスク)
・分析
と4つに分類できます。
これらの業務は、「正確かつ最新の状態で管理された顧客情報と契約情報」をベースに行うことで効率化できます。
実際に、HubSpot CRMでどのようなことができるのかをご紹介します。
関連記事:
📚HubSpot CRMとは?主な機能や活用メリットをわかりやすく解説
顧客管理(法人・個人)
SaaS企業の顧客管理では、「顧客タイプ」と「契約ステータス」の2つの軸で分類し、管理します。
「顧客タイプ」は、
・法人(企業や団体が契約するケース)
・個人(個人ユーザーが契約するケース)
と分類できます。
法人の場合は、企業単位の情報管理が必要になるため、以下のような追加情報の管理が発生します。
・会社名・業種・従業員数・売上規模
・担当者(複数)・部署・役職
・法人アカウントと個人ユーザー(利用者)との紐付け
一方、個人は個人単位での情報管理が主となるため、契約者情報を主軸にします。
「契約ステータス」は、
・見込み顧客(リード)
・新規顧客(商談)
・既存顧客(契約中顧客)
・解約済顧客
・休眠顧客
のように分類できます。
さらに、既存顧客(契約中顧客)を「プラン」ごとに分類することで、アップセル・クロスセルの対象を明確化できます。
〈既存顧客をプランごとに分類する例〉
・フリープラン(無料ユーザー)を契約中の顧客
・スモールプラン(個人向け・小規模向け)を契約中の顧客
・プロフェッショナルプラン(中小企業向け)を契約中の顧客
・エンタープライズプラン(大企業向け)を契約中の顧客
HubSpot CRMでは、これらの情報を一元管理することができます。
HubSpot CRMで管理する際のイメージとしては、それぞれ次のようになります。
契約者情報や契約プランの管理
・「法人顧客」と「個人顧客」を分けて管理
・「見込み顧客」「新規顧客」「契約中顧客」「解約済顧客」「休眠顧客」のステータスを管理
・「契約ライセンス」や「契約プラン」をなどの契約情報を管理
・「契約開始日」「契約終了日」「更新日」を管理
マーケティング(利用者集客)
SaaS企業のマーケティングでは、新規顧客の獲得を目的としたコンテンツマーケティングや広告運用、既存顧客に対するアップグレード訴求の施策が重要です。
HubSpot CRMは、MA(マーケティングオートメーション)機能を担う「HubSpot Marketing Hub」や、コンテンツ制作機能を担う「HubSpot Content Hub」との連携がシームレスにでき、CRMに蓄積された顧客情報や契約ステータスのデータをもとにしたマーケティング活動に強みを持っています。
「Marketing Hub」では、主に以下のことができます。
・Eメールマーケティングの作成、管理、自動化
・SNS投稿の作成、管理、自動化
・リードナーチャリングの自動化
・チャットボットの作成、管理
・CTA(コール・トゥ・アクション)の作成、管理、自動化
・EFO(入力フォームの最適化)
・コンテンツのパーソナライズ表示
・広告配信
・レポート作成とダッシュボード作成 など
「Content Hub」では、主に以下のことができます。
・ウェブサイト構築
・ブログ作成
・ランディングページ作成
・SEO最適化
・内部リンク最適化
・ABテスト
・コンテンツリミックス
・ブランドボイス など
関連記事:
📚HubSpot Marketing Hubとは?特徴・機能・料金・メリットデメリットを徹底解説
📚Content Hubとは?CMS機能や導入効果、注意点などを解説
📚SaaS企業必見!HubSpotのMA機能でリード獲得・育成を効率化
リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
SaaS企業では、見込み顧客(リード)の関心を高め、購買意欲を育てる「リードナーチャリング」も不可欠です。
SaaSの導入を検討する企業や個人は、
・本当にこのツールが自社(または自分)にとって最適か?
・他のツールと比較してどうなのか?
・コストに見合う価値があるのか?
・使いこなせるのか?
などの疑問や不安を抱いている方が多いです。
そのため、契約までは長期戦となる傾向があります。
上記のような疑問に対して、適切な情報提供を行い、解決するプロセスを、マーケティング・営業双方の活動により行うのがSaaS企業のリードナーチャリングです。
HubSpotでは、SaaS企業がリードナーチャリングを行うために必要な機能が豊富に備わっています。
例えば、マーケティング活動においては、
・Eメールマーケティング機能(スポット配信・ステップメール配信の両方可)
・リスト機能(ナーチャリング対象者の絞り込み)
・LINE連携機能(Little Help Connectを活用したLINEとHubSpotの連携)
・SNS配信機能
・広告配信機能
・Zoom連携機能(ウェビナー実施を効率化)
などの機能が備わっています。
関連記事:
📚SaaS企業必見!HubSpotのMA機能でリード獲得・育成を効率化
営業(案件管理)
SaaS企業における営業活動は、単なる新規契約の獲得にとどまりません。
契約後の継続利用やアップグレード、解約抑止までを見据えた、中長期的な顧客関係の構築が求められます。
さらにSaaSの営業は、トライアル提案や導入支援、条件交渉などステップが多く複雑になりがちです。そのため、各商談の進捗を正確に把握・共有できる体制が欠かせません。
こうした複雑な業務に対して、HubSpot CRMは以下のような機能で営業活動を支援してくれます。
・「営業パイプライン機能」:商談ステージの可視化と進捗管理
・「リードスコアリング機能」:有望リードの抽出と優先順位付け
・「アクティビティログの自動記録」:メール・通話・会議履歴の一元管理
・「ワークフロー機能」:フォローアップ対応やタスクの自動化
こうした機能の活用により、営業チームは顧客に対して丁寧でスピード感のある対応を行うことができ、成約につながりやすいリードに優先度をつけて対応することで、成果につなげることができます。
予実管理
SaaS事業では、売上の予測精度が経営のスピードと安定性を左右します。
特に、MRR(月間経常収益)やARR(年間経常収益)といった指標の可視化は、投資判断や採用計画、マーケティング施策の強弱を決めるうえでも非常に重要です。
HubSpot CRMでは、商談情報や契約情報などのデータをもとに、以下のような売上予測やKPIのモニタリングを行うことができます。
・商談ステージごとの成約確度に基づいた売上予測
・営業パイプラインの進捗を視覚化するレポートやダッシュボードの作成
・MRRやARR
カスタマーサポート(カスタマーサクセス・ヘルプデスク)
SaaS企業におけるカスタマーサポートでは、
顧客が製品やサービスをより効果的に活用できるようにサポートすることが求められ、長期的な契約継続やLTV(顧客生涯価値)の最大化にダイレクトにつながる役割を担っています。
そのため、カスタマーサポートチームは、顧客の問題を迅速かつ効率的に解決するだけでなく、顧客のニーズを予測し、問題が発生する前に解決策を提供する姿勢が求められます。
このような支援を実現するには、顧客情報や過去の対応履歴などを一元管理し、過去どのようなやりとりを組織として行っているのか、などの情報を迅速に参照できる体制が不可欠なのです。
HubSpot CRMでは、これらの活動をサポートするために以下の機能が搭載されています。
・チケット管理機能
・チケットパイプライン機能
・ウェブチャット機能
・Eメール追跡機能 など
また、CRM機能をベースにしてカスタマーサポートチームを支援するための「Service Hub」とシームレスに連携させることができ、より高度な機能を活用することもできます。
・ナレッジベース構築
・コールの文字起こし
・カスタムアンケートの作成 など
分析
SaaS事業では、月額課金(MRR)モデルが一般的なため、「今月は契約してもらっていたが、翌月は解約される(された)」ということが多発します。
つまり、「契約=安定収益」ではなく毎月が更新タイミング=毎月が解約リスクという状態にあります。
そのため、
・利用者が今どんな状況にあるのか(活用状況、問い合わせ頻度、課題)
・どの施策が継続率やアップセルにつながっているのか
といった情報を即座に把握できる環境をつくり、改善につなげることが、LTV最大化のカギとなります。
HubSpotでは、CRM上に蓄積された顧客データをもとにカスタムレポートを作成し、ダッシュボードでまとめて即座に確認・分析できます。
以下は、HubSpotでできる分析の一例です。
・KPIの可視化
マーケティング・営業・カスタマーサポートなど、各部門の主要KPIを一画面で可視化
(例)LPごとのCV数/営業ごとの商談件数/サポート対応件数 など
・収益のモニタリング
MRR(月間経常収益)やARR(年間経常収益)の推移をグラフで可視化
・リードや商談の動きの把握
リード数の増減や商談化率の変化などから、施策の成果や課題を分析
・チャーン(解約)の兆候分析
いつ、どのタイミングで解約が発生しているかを分析
このように、柔軟な分析ができるため、経験や勘に頼るのではなく、数値に基づく判断と改善ができる体制が整います。
HubSpotの導入相談はナウビレッジまで
いかがでしたか?
SaaS事業におけるCRMの選定や活用は、マーケティング・営業・カスタマーサービス・経営判断など、あらゆる業務の効率化と成果向上に直結します。
その中でもHubSpot CRMは、SaaS企業が必要とする顧客管理や契約管理、ナーチャリング、分析までを一貫して支えてくれます。
とはいえ、「自社に本当に合っているのか」「どの機能をどう使えばいいのか」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
ナウビレッジでは、HubSpotの活用方法のご提案から導入支援、さらに活用定着までご支援しています。
ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を監修した人
髙山博樹
ナウビレッジ株式会社 取締役CMO
上場企業で勤務後、ナウビレッジ創業メンバーとして参画。 2年でマーケティングコンサルタントとして企業規模、業界に関わらず50社支援し、150のプロジェクトを経験。 マーケティング戦略の策定から実行(サイト制作や広告運用、SEOなど)に携わる。 CMOとしても自社のマーケティング領域におけるリード獲得やコンテンツ制作を担い、そこで得た知見を活用して社内外のマーケティング活動に役立てている。HubSpot導入支援サービスの責任者。
SaaS業でのCRM選定にお困りですか?
- ・自社に合うツールがわからない
- ・ 現状のシステムを使い切れていない
- ・ HubSpotの詳細について聞きたい
このような課題に直面している方はHubSpot認定パートナーのナウビレッジへご相談ください。
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