SaaS企業必見!HubSpotのMA機能でリード獲得・育成を効率化
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2025.06.12
2025.06.12
SaaS業界におけるプロダクト販売では、
「無料トライアルから本契約へ」
「月額契約から年間契約へ」
といった段階的な成約プロセスをとる企業が多いです。
その一方で、競合が多い市場で見込み顧客(リード)の関心を惹きつけ続けることは簡単ではありません。
継続的なフォローやアプローチを手動で行うには限界があります。
そこで注目されるのが、マーケティングオートメーション(MA)によるアプローチの自動化です。
数あるMAツールのなかでも「HubSpot」は豊富な機能を備えながらも利用しやすく、多くの企業から選ばれています。
見込み顧客の獲得から育成・商談化、さらにはフォローやアップセルまで、あらゆるフェーズにおけるアプローチを効率化し、顧客との関係性を構築する機能が備わっています。
本記事では、SaaS企業向けに、HubSpotのMA機能「Marketing Hub」の活用イメージや事例をご紹介します。
こんな方におすすめ
- SaaS企業のマーケティング責任者
- 営業とマーケティング部門の連携に課題を感じている方
- MAツールの導入を検討しており、どれを選ぶべきか迷っている方
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目次
SaaS企業にMA(マーケティングオートメーション)が必要な理由
SaaS業界のマーケティング課題
SaaS業界のマーケティング課題はズバリ、「リードタイムの長さとマーケ施策の運用負荷の高さにより、見込み顧客を継続的に適切にフォローしきれないこと」です。
つまり、リードナーチャリングの難易度が高いのです。
SaaS企業における営業プロセスは、リード獲得から契約に至るまでの道のりが長く、複数回の接点や検討ステップを必要とします。
たとえば「無料トライアル→導入検討→社内稟議→契約」という顧客の購買プロセスは、短い場合でも数週間、場合によっては数カ月を要することもあります。
購買プロセスが長い場合、リードとの関係性を継続的に維持・深化させる「ナーチャリング」が不可欠です。
しかし、すべてのリードに対して個別に対応し続けるのは、時間的・人的リソースの観点からハードルが高いものです。
そのような背景から、以下のような課題を抱える企業も少なくありません。
・リードの数が増加すると、手動でのフォローに限界が生じる
・担当者ごとに対応方法が異なり、対応が属人的になりがち
・顧客行動や興味関心に基づいた適切なタイミングでのアプローチが難しい
・顧客のフェーズ(検討段階・導入検討・既存顧客など)に応じた情報提供ができない
・マーケティングと営業で保有する顧客情報が分断されており、連携が取れていない
このような状況を放置すれば、適切にリードナーチャリング(見込み顧客の育成)を行うことができず、本来商談につながるはずのリードを取りこぼしてしまうリスクが高まります。
マーケティングオートメーション(MA)の役割
こうした課題を根本から解決するためには、顧客の属性・行動データに基づいたタイムリーかつパーソナライズされたアプローチを自動で実行できる仕組み、つまり「マーケティングオートメーション(MA)」の導入が効果的です。
MAは以下のような役割を果たします。
MAの機能 | 具体的な役割 |
---|---|
リード情報の一元管理 | 顧客の属性、行動履歴、接点履歴を統合して可視化 |
自動シナリオ配信 | 顧客の行動に応じたタイミングで最適なコンテンツを届ける |
スコアリングとセグメント分け | 関心度の高いリードを優先的に営業に引き渡し、効率的に商談化 |
営業との連携 | 自動通知や共有ダッシュボードを通じて営業とシームレスに連携可能 |
MAは単なる「業務を自動化する」ツールではなく、「正しい人に、正しいタイミングで、正しいメッセージを届ける」ためのツールと言えます。
SaaSマーケティング全体を支えるHubSpotのMA機能「Marketing Hub」

HubSpot社が提供する「Marketing Hub」は、中長期的なリードナーチャリング(見込み顧客の育成)に適したMAツールです。
Marketing Hubの特徴は、以下のとおりです。
・直感的に操作できるUI
・ノーコードで自動アクションを簡単設計(ワークフロー)
・CRM(顧客管理)やSFAとMAが一体化
Marketing Hubで自動化できることは、以下のとおりです。
・メールのシナリオ配信
・スコアリング
・SNS投稿
・チャットボット
・CTA(コール・トゥ・アクション)
・コンテンツのパーソナライズ表示
・広告配信 など
これらの機能により、次のような柔軟で段階的な顧客アプローチができます。
例えば、無料トライアルに登録した直後にいきなり営業が電話をかけるのではなく、
①まずはお役立ち記事の案内メールを送信
②その後、メールの開封やWebサイトの閲覧履歴を確認
③関心の高いリードをスコアリング
④「今、まさに検討していそうなタイミング」で営業に通知
といった運用が可能です。
また、CRM(顧客管理)・SFAとMAが一体化しているため、マーケティングと営業が同じ顧客情報をリアルタイムで共有できるのも特徴です。
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📚HubSpot Marketing Hubとは?
SaaS企業におけるHubSpot活用イメージ
SaaS企業がHubSpotの「Marketing Hub」を活用すると、リード獲得から契約後のアップセルまで、顧客ライフサイクル全体をカバーするマーケティング設計が可能になります。
ここでは、代表的な活用シーンをステップごとにご紹介します。
新規顧客の獲得
SaaS企業が新規顧客を継続的に獲得するには、Webサイトを起点とした施策が重要になってきます。なぜなら、顧客のほとんどが意思決定の初期段階で営業に接触せず、Web上で検討を進めるからです。
HubSpotには、サイト訪問者をリードへ転換するために必要なさまざまな機能が備わっています。
ノーコードで利用可能なため、言語スキルなどを持たない方でも、スピーディに実装、運用ができます。
施策例 | 主なHubSpotの機能 | 活用イメージ |
---|---|---|
ホワイトペーパー提供 | ・フォーム機能 ・ワークフロー機能 | ・資料ダウンロードをさせるフォームを作成し、提供。 (例) 「SaaS導入チェックリスト」など ・ワークフローでサンクスページと資料を表示。 ・資料と引き換えに顧客情報を取得。 |
ウェビナー集客 | ・Eメール配信機能 ・フォーム機能 ・ワークフロー機能 | ・参加申込フォームを作成し、自動リマインドメールを送信。 ・セミナー後にフォローアップメールで個別商談へ誘導。 |
フォーム最適化 | ・フォーム機能 ・ステップフォーム作成機能 | ・単一フォームからステップフォームへ改修し、コンバージョン率を向上。 |
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リードナーチャリング
SaaS製品の検討プロセスは長期にわたるため、見込み顧客と継続的に関係を築く「ナーチャリング」が非常に重要です。
HubSpotでは、顧客の属性や行動履歴に応じて最適なコンテンツをタイミングよく届けるための機能が充実しているため、上手に活用することでナーチャリングを最適化させることができます。
施策例 | 主なHubSpotの機能 | 活用イメージ |
---|---|---|
セグメントごとの情報配信 | ・リスト機能 ・パーソナライズ機能 (トークン) ・メール配信機能 | ・役職/業種/興味関心に応じてメール内容を出し分け。 ・「経営層にはROI訴求」「現場担当には機能訴求」など、的確な訴求が可能。 |
シナリオ配信(ステップメール) | ・ワークフロー機能 ・メール配信機能 | ・あらかじめ設計したシナリオに沿って自動で配信。(例) 「ホワイトペーパーDL → 3日後に導入事例紹介 → 5日後に個別相談の案内」など |
コンテンツへの反応に応じたフォロー | ・ワークフロー機能 | ・興味度合いに応じて柔軟に対応。 (例) 「メールをクリックした人にのみ、次の資料を送る」「資料未開封者にはリマインドメールを送る」など |
ホットリードの可視化
SaaS業界では、リードの数は多くても「今アプローチすべき見込み顧客」を見極めるのが難しいという課題があります。
HubSpotのスコアリング機能を活用すれば、見込み顧客の行動や属性に基づいて自動的にスコア付けでき、ホットリードを可視化できます。
施策例 | 主なHubSpotの機能 | 活用イメージ |
---|---|---|
スコアリング基準の設計 | ・スコアリング機能 (エンゲージメントスコア/適合スコア/複合スコア) | ・「ホワイトペーパーDL」「価格ページ訪問」などのアクションに応じて点数を自動加算。 (例)「50点以上」でホットリードと判断。 |
ホットリードをリスト化 | ・リスト機能 (動的リストの作成) | ・「スコア50点以上」「役職が部長以上」などの条件で自動的にリードを分類。 ・営業向けホットリードリストを自動生成。 |
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営業との連携強化
SaaS企業では、マーケティングと営業のスムーズな連携が成約率向上のポイントです。
HubSpotはCRMとMAが統合されているため、「ホットな見込み顧客を、最適なタイミングで営業に引き渡す」体制を構築できます。
施策例 | 主なHubSpotの機能 | 活用イメージ |
---|---|---|
スコア基準超えで営業へ通知 | ・ワークフロー機能 ・タスク作成機能 ・Slack連携機能またはメール通知機能 | ・スコアが基準を超えたタイミングで、営業担当に通知。 ・HubSpot CRMに自動でタスクを作成・保存し、フォローを促進。 |
顧客アクションをトリガーに営業へ通知 | ・ワークフロー機能 ・Slack連携機能またはメール通知機能 | ・顧客の特定アクションをもとに営業へ通知。 (例) 「特定ページを訪問」「資料を複数回ダウンロード」などの行動を検知したら、営業にSlackやメールで通知。 |
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既存顧客へのアップセル・クロスセル強化
SaaS企業においては「新規顧客の獲得」だけでなく、「既存顧客との関係維持」が極めて重要です。
月額・年額の継続課金モデルであるSaaSでは、解約(チャーン)を防止し、1顧客あたりのLTV(顧客生涯価値)をいかに高めるかが、売上を拡大する核となるからです。
HubSpotは、既存顧客の契約内容や利用状況に応じた情報提供を自動化できるため、アップセル(上位プランへの誘導)やクロスセル(関連製品の提案)につながるアクションを効率化することができます。
施策例 | 主なHubSpotの機能 | 活用イメージ |
---|---|---|
顧客ごとの製品利用状況に応じたセグメント配信 | ・リスト機能 ・ワークフロー機能 | ・契約プランが「Basic」の顧客に対して、「Proプランへのアップグレード案内」を配信。 ・契約から一定期間が経過した顧客に、アップグレード成功事例などのメールを自動送信。 |
クロスセル商品の紹介メール配信 | ・リスト機能 ・ワークフロー機能 | ・既存顧客の業種や興味分野に応じて、関連モジュールや機能を紹介するメールを自動送信。 (例) レポート機能、チケット機能、チャットボット機能など |
継続利用を後押しする情報提供 | ・ステップメール機能 (メール配信+ワークフロー機能) | ・導入後1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月と段階を追って「導入事例」や「使いこなし講座」などのメールを自動で配信し、利用定着と解約率の低下を支援。 |
ダッシュボードで成果を見える化
マーケティング施策を実行したあとの効果を正しく把握し、次の一手に活かすことも重要です。
特にSaaS企業では、商談数・契約数・LTV・チャーン率など、追うべき指標が多岐にわたるため、いかに簡単に可視化し、分析できるようにするかが重要になります。
HubSpotでは、CRMに蓄積された顧客データと、マーケティング施策の効果をリアルタイムで結びつけて分析できる「レポート機能」と「ダッシュボード機能」があります。
これらの機能を活用することで、施策の効果検証はもちろん、営業やカスタマーサポートなどの他部門との情報共有や意思決定のスピードアップにもつながります。
施策例 | 主なHubSpotの機能 | 活用イメージ |
---|---|---|
KPI報告 | ・カスタムレポート機能 ・ダッシュボード機能 | ・MRRやチャーン率、アップセル件数など、重要指標を一元管理。 ・経営層や部門長への月次レポートを自動共有。 |
リード獲得~商談化までの分析 | ・カスタムレポート機能 ・ダッシュボード機能 | ・チャネルごとのリード獲得数、商談転換率を可視化。 (例) 「ホワイトペーパー経由のリードは商談化率が高い」などの傾向を把握し、次の施策に反映。 |
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HubSpotの活用事例
ここでは、実際にSaaS企業がHubSpotを導入し、業務効率化や成果向上につなげた事例をご紹介します。
株式会社マネーフォワード
企業名
株式会社マネーフォワード(https://corp.moneyforward.com/)
企業規模
2,597名(2024年11月時点)
導入したHubSpot製品
・CRM機能を含む「Marketing Hub」「Sales Hub」「Service Hub」
・オペレーション業務の課題解決のための「Operations Hub」
課題(導入背景)
同社が提供している「マネーフォワード クラウドStore」では、Google WorkspaceやMicrosoft 365、Zoomなど多岐にわたるクラウドツールを代理販売しており、商材やプランの多様性から売上等の数値集計を中心としたオペレーション業務に課題がありました。
事業立ち上げから1年が経過し、営業体制強化のタイミングでシステム環境の整備が必要となり、顧客情報の一元管理が求められていました。
導入効果
煩雑なスプレッドシート管理から脱却し、オペレーションの効率化と最適化を実現しました。
客情報の一元管理により、マーケティング、セールス、カスタマーサービスといった一連の顧客接点を統合的に管理できるようになりました。
ピー・シー・エー株式会社
企業名
ピー・シー・エー株式会社(https://corp.pca.jp/)
企業規模
672名
導入したHubSpot製品
CRM機能を含む「Marketing Hub」「Sales Hub」
課題(導入背景)
同社では、マーケティングとインサイドセールスが異なるツールを使用しており、情報共有が円滑に行われていませんでした。
Webサイト上のコンバージョンポイントを見直し、ユーザーの行動を可視化する取り組みを行いましたが、リードの質に課題がありました。
導入効果
マーケティングとインサイドセールスが一つのプラットフォーム上で連携することで、顧客データの一元化を実現し、より親身な顧客対応が可能になりました。
Webサイトの訪問履歴やメール開封状況などのデータをもとに、顧客の興味関心を深く理解し、最適なタイミングでのアプローチを実現しました。
ぺルソナ設計やカスタマージャーニーの見直しを行い、部門横断での対応を強化しました。
これらの取り組みにより、クラウドモデルのMRR(月次経常収益)が5倍に成長しました。
出典:HubSpot導入事例|ピー・シー・エー株式会社
HubSpotでSaaS企業のマーケティングを最適化
いかがでしたか?
SaaS企業においては、顧客の購買までに時間がかかるうえに、導入後も一定数の解約(チャーン)が発生するため、リードナーチャリングの難易度は決して低くありません。
HubSpotを活用すれば、見込み顧客の獲得から育成、営業連携による商談化、そして既存顧客との関係強化までを一貫して支援する体制を構築することが可能です。
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この記事を監修した人
髙山博樹
ナウビレッジ株式会社 取締役CMO
兵庫県出身。東京工業大学 修了。 上場企業で勤務後に参画。 取締役CMOとして広告・SEO・Webサイトといった多様な集客手法とCRM/SFA/MAに精通。 年間自社リード250件の体制を構築。 HubSpot導入・構築支援、拡張アプリケーション開発サービス責任者。
SaaS業界でのMA選定にお困りですか?
- ・ 自社に合うツールがわからない
- ・ 現状のシステムを使い切れていない
- ・ HubSpotの詳細について聞きたい
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