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HubSpot Commerce Hub(コマースハブ)とは?機能や特徴、料金プラン、導入による効果まで徹底解説

  • HubSpot

2025.07.07

2025.07.07

決済や請求・見積書の発行業務は、
BtoBビジネスをするどの企業においても、切っても切り離せないものです。

しかし、ツールが分散していたり、顧客情報と紐づいていなかったりすると、非効率な運用になりがちです。

このような課題を解決するのが、HubSpotが提供する「Commerce Hub」です。
HubSpot CRMと連携しながら、商談から請求・決済・収益レポートまでを一元管理できます。

本記事では、Commerce Hubの概要から機能・料金・導入効果まで、詳しく解説していきます。

▼この記事の要約
・Commerce Hubは、見積・請求、回収業務業務を一元管理できるHubSpotの機能
・Stripeとの連携による柔軟な決済対応が可能
・営業・経理の業務効率化と顧客体験向上を両立
・サブスクリプション型ビジネスを展開する企業に最適

こんな方におすすめ

  • 見積・請求・決済業務の効率化をしたい方
  • サブスクリプション(定期課金型)ビジネスを行っている方
  • 顧客体験の質を高めたい方
  • 営業やカスタマーサポート部門との連携を強化したい方

HubSpotの導入をご検討中ですか?

  • ・ HubSpotを導入したい
  • ・ Commerce Hubで何ができるか知りたい
  • ・見積・請求・決済業務の効率化をしたい

HubSpotの導入については、ナウビレッジへお気軽にご相談下さい。
HubSpot導入支援のプロフェッショナルが貴社の状況やニーズに応じて適切なプランをご提示し、伴走型支援によるスムーズな定着を実現します。

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HubSpot Commerce Hubとは

HubSpot Commerce Hubは、請求書発行・見積管理・オンライン決済・サブスクリプション契約・収益レポートといった決済関連業務を、HubSpot CRMと連携して行えるプラットフォームです。

これまで、営業部門と経理部門の間には、「情報の断絶」が存在しているケースが多々ありました。(営業担当者が獲得した商談データはスプレッドシートで管理され、請求書は別の会計ソフトで発行される……など)
このような煩雑さを解消してくれるのが、Commerce Hubです。

たとえば、商談成立後に見積書を作成し、電子サインとオンライン決済を組み合わせて即座に取引を完了するといった挙動をさせることが可能です。

その後の定期課金も自動化され、すべての売上情報はHubSpot CRM内に記録されるため、記録されたデータをマーケティングや営業活動にも活用することができます。

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Commerce Hubの機能

ここでは、以下のCommerce Hubの主な7つの機能をご紹介します。

・見積書
・請求書
・支払いリンク
・サブスクリプション管理
・決済処理
・他アプリとの連携
・収益レポート

見積書

Commerce Hubでは、HubSpot CRMで管理している商談データをもとに、会社のロゴや配色を使った見積書を作成することができます
作成時には、取引レコード(商談情報)に関連付けられた企業・コンタクト・製品などの情報を自動的に取り込んで作成してくれます。
見積書はPDF形式で共有できます。

また、見積書には電子署名機能が組み込まれており、顧客が署名を行うことで正式な契約として成立させることも可能です。
電子署名機能を利用した場合、見積書の署名完了後はその見積内容に基づいて請求書の発行や支払いリンクの送付、サブスクリプションの開始(定期課金発生の場合)などが自動的に実行される仕組みとなっており、営業担当者の手作業を減らし、対応漏れを防げます。

請求書

Commerce Hubでは、HubSpot CRM上で管理している取引先(企業)情報や商談情報をもとに、会社のロゴや配色を使った請求書を作成することができます

請求書はデジタル請求書またはPDF形式で出力することもでき、HubSpot内から直接メール送信することも可能です。

また、取引先の支払い状況の追跡までも行うことができます。

その他、支払い期限のリマインダー送信や、未払いの自動通知設定も可能なため、経理担当者の回収業務の負担を大幅に軽減できます。

関連記事:
📚請求書作成もHubSpotで完結!作成・管理の方法と注意点を解説

支払いリンク

Commerce Hubには、支払いリンクの埋め込み機能があります
クレジットカードや銀行振込(ACH)などに対応した決済ページをURL化し、

・Eメール
・チャット
・ミーティング
・フォーム
・Webページ

などに埋め込むことができます。
リンクは1回限りの支払いにも、定期課金にも対応しており、Stripeとの連携により日本円での決済も可能です。

サブスクリプション管理

Commerce Hubは、以下のようなサブスクリプション(定期課金ビジネス)管理も行えます。

・サブスクリプションメニューの作成、編集、管理
・価格、数量、割引などの情報の編集
・支払い方法や期日の設定
・連絡先情報の設定
・契約更新の自動化
・支払いステータスの管理
・支払いリマインド送信(支払い期日の14日前に次回の支払いについて通知)など

定期的に収益が発生するモデルを構築している企業にとっては、このようなサブスクリプション管理機能は必須の機能です。

決済処理

Commerce Hubでは、決済処理も可能です。
Commerce Hubの決済処理機能は、単に顧客からの「支払い受付機能」ではなく、企業側の「見積作成・請求所発行・収益回収までを1箇所で管理する」ための機能です

利用可能な決済手段は、米国企業とそれ以外の国の企業では、以下のように異なります。

▼米国企業
HubSpot Payments(クレジットカード、ACH、Apple Payなど)

▼それ以外の国の企業
Stripe連携推奨
※Stripe(ストライプ)は日本円を含む複数通貨に対応しています

さらに、決済に関連する情報は、HubSpot CRM上に格納されるため、マーケティング・営業・カスタマーサポート・経理などの各部門が共通認識として把握できるようになっています。

参照:
📝Commerce Hubの通貨設定

他アプリとの連携

Commerce Hubは、HubSpotマーケットプレイスにある外部アプリと連携することができます
連携することで、HubSpotと外部アプリとの間で請求・支払情報を相互に同期することが可能になります。

たとえば、以下のような会計・経理管理用アプリケーションとの連携が可能です。

・Stripe
・QuickBooks
・NetSuite
・Xero
・Chargebeeなど

日本では、HubSpotの支払い機能「HubSpot Payment」は利用できません(米国企業のみ対象)。
そのため、日本企業にはStripeとの連携による決済処理が推奨されています。

決済収益の分析(ダッシュボード・レポート)

Commerce Hubでは、収益レポートを作成する機能も備わっており、常に最新の売上や支払い状況を可視化することができます

以下は、作成可能な収益レポートの一例です。

・今年度の決算総収益
現時点までの年間決済による累積収益額を表示

・四半期ごとの支払い総収益
年間の支払い収益を四半期単位で可視化

・当月の決算総額
今月発生した決済のうち、収益が確定している金額を集計

・月別の顧客ごとの決済件数
過去1年間に支払いを行った顧客数を月別に表示

・支払いタイプ別の収益推移
一括払いと定期支払いに分類した収益の変化を時系列で可視化

・営業担当者別の四半期収益
営業担当ごとの今四半期の決済回収額を集計(案件ベース)

・一括払いの売上上位製品別収益
一時払い製品の中で、今年の売上が多い製品を販売回数と金額で表示

・定期購入の売上上位製品別収益
サブスクリプション製品の中で、今年の収益上位製品を分類して表示

・収益が少ない製品の支払い内訳
今年、収益が最も少なかった製品の支払い種別(1回・定期)別内訳

・最も売上が少ない製品の総収益
今年度のうち、最も売上が低かった製品の総収益額を表示

このように、経営判断や営業戦略の根拠となる情報をレポートやダッシュボードとして簡単にまとめることができます。

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Commerce Hubの導入で得られる効果

見積・請求・支払い業務の効率化

Commerce Hubを導入することで、見積もりから請求、支払い、収益レポートの作成に至るまでの一連の業務を、HubSpot内で完結できるため、業務の効率が飛躍的に向上します

たとえば、請求書や決済リンクなどを活用すれば、顧客からの入金をスムーズに回収することができ、現金化までのリードタイムを短縮できます。

また、これまで手作業で対応していた請求書の作成・送付、未払いの督促、契約更新の管理などの自動化により負担を軽減できます。サブスクリプション型の請求であれば、定期的な請求書の自動発行や支払いリンクの送信も自動化できるため、支払い漏れを防ぎつつ、請求業務そのものを簡素化できます。

顧客体験の向上

Commerce Hubを利用すると、顧客満足度を向上させることにも繋がります
見積書内に支払いリンクを埋め込むことで、「見積り→支払い」の導線における工数を減らせ、双方のやり取りの手間も最小限に抑えられます。

また、Commerce Hubの支払いリンクは柔軟にカスタマイズすることもでき、特定の製品やサービスごとのリンクを作成したり、特定の顧客向けにパーソナライズされた決済ページを用意したりと、細やかな対応も可能です。

このように、顧客ごとに最適化された支払い体験を提供することができ、企業としての信頼感や満足度向上にも寄与します。

データドリブンな意思決定

Commerce HubはHubSpot CRMと連携しているため、営業履歴や顧客情報と結びつけた形で収益データを把握でき、現状の分析から具体的な施策の立案までを一貫してサポートしてくれます。

たとえば、サブスクリプション型のサービスでは、契約更新率や経常収益の推移といった重要な指標も継続的に追跡できるため、顧客の離脱を防ぐための戦略設計にも有効です。

このように、Commerce Hubを活用することで、リアルタイムのデータに基づいた精度の高い意思決定ができるようになります。

Commerce Hub導入の注意点

Commerce Hubの導入により、請求・決済業務の効率化が期待できますが、日本国内での活用にあたっては、いくつか留意すべき点があります。
ここでは主な2つの注意点について解説します。

Stripeアカウントの必要性と注意事項

Commerce Hubでは、「HubSpot独自の決済機能」と「Stripe決済」の2つの決済方法のうち、どちらかを選択できますが、日本国内でオンライン決済を行う場合は、「Stripeとの連携が必須」です
HubSpot独自の決済機能は、現在のところアメリカ国内の事業者・顧客に限定されており、日本を拠点とする企業は利用できません。そのため、日本ではStripeとの連携による決済処理が推奨されています。

このStripe決済にはいくつかの注意点があります。

・手数料
Commerce Hubを介したStripe決済には、HubSpotのプラットフォーム手数料(0.75%)が加算されます。これとは別に、Stripeとの契約に基づく決済手数料も発生します。
決済手数料は、Stripeアカウントの契約形態によって異なるため、事前確認をしておきましょう。

・アカウント連携の制限
1つのStripeアカウントは、1つのHubSpotアカウントにしか接続できません。

・データ同期
HubSpotとStripe間では、以下の図のようにデータ同期の方向性に制限があります。
Customers(コンタクト)の情報は、どちらで作成・更新してもお互いに同期されますが、Products(製品)やInvoices(請求書)の情報はHubSpotで作成・更新した場合は、Stripe側に反映されない点には注意してください。

・入金処理やエラー対応
HubSpotではなくStripeのサポート窓口が担当します。

このように、Stripeアカウントの接続には注意点があるため、導入前に十分な確認と社内体制の整備が必要です。

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使用中の請求ツールとの使い分け

Commerce Hubには、請求書の発行や定期請求の自動化、収益レポート機能など、多くの便利な機能が備わっていますが、既に他の請求ツールを導入している場合には、使い分けの検討が必要です。

たとえば、「freee」や「マネーフォワードクラウド」など、会計や経理業務と連携した請求ツールを使用している企業では、各ツールに以下のような役割分担を持たせるとよいでしょう。

(例)営業部門と経理部門で使い分ける

Commerce Hubを営業現場で活用

営業担当者の商談中、商談成立と同時にHubSpotで見積書や請求書を発行し、支払いリンクを送付する(リード獲得〜商談~見積・請求・回収までを1つの画面で完結させる)

既存の請求ツールを経理で活用

契約書、決算処理、仕訳、税務対応、インボイス制度への対応など、会計・法務に関わる業務は、引き続きfreeeやマネーフォワードなどの会計連携型システムを使う
※「請求書の消費税区分の管理」や「取引の仕訳登録」など、財務会計の要件に応える機能はCommerce Hubにはありません

また、日本国内では適格請求書(インボイス制度)への対応が必須となりますが、Commerce Hubの請求書フォーマットでは、

・適格請求書発行事業者番号
・適用税率
・税率ごとの消費税額

が含まれていないです。

このように、Commerce Hubに全面的に切り替えるのではなく、既存ツールと併用しながら段階的に活用領域を広げていくと良いでしょう。

関連記事:
📚請求書作成もHubSpotで完結!作成・管理の方法と注意点を解説

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この記事を監修した人

髙山博樹

ナウビレッジ株式会社 取締役CMO

兵庫県出身。東京工業大学 修了。 上場企業で勤務後に参画。 取締役CMOとして広告・SEO・Webサイトといった多様な集客手法とCRM/SFA/MAに精通。 年間自社リード250件の体制を構築。 HubSpot導入・構築支援、拡張アプリケーション開発サービス責任者。

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