HubSpotのABテストとは?利用できるプランや実行方法を解説
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2024.12.13
2024.12.26
HubSpotは、企業のマーケティング活動を効率的に行うために、さまざまな機能を提供していますが、その中でも「ABテスト機能」は、マーケティングの効果を最大化するためにも欠かせないツールです。
ABテスト機能を活用することで、異なるコンテンツのパフォーマンスを比較して、
データに基づいたより効果的なマーケティング戦略を実施することができるようになります。
本記事では、HubSpotのABテスト機能が利用可能なプランや、具体的な実行方法、実行するうえでの注意点について詳しく解説します。
こんな方におすすめ
- コンバージョン率を向上させたいマーケティング担当者
- 定期的にキャンペーンを運用している企業の担当者
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目次
A/Bテストとは
A/Bテストとは、複数の異なるバリエーションのコンテンツ(バージョンAとバージョンB)を比較し、最適化するための手法です。
ABテストという名称ですが、3つ以上のパターンをテストすることもあります。
ウェブサイトページやEメール、広告のクリエイティブなどにおいて、要素変更をする際にA/Bテストを実施します。
例えば、ランディングページのデザインや、CTA(コール・トゥ・アクション)の配置など、特定の要素を変更した場合の結果を測定します。
A/Bテストの実施によって、最適化されたコンテンツだけを残して運用を継続していけるので、より効果的なマーケティング活動が可能になります。
HubSpotでは、このA/Bテストを簡単に行うことができます。
HubSpotのA/Bテスト機能
HubSpotでは、以下の主要なコンテンツに対してABテストを実施できます。
テスト可能なコンテンツ | 詳細 | 対応する製品・プラン |
---|---|---|
ランディングページ(LP) | デザインやコピー、CTAの配置などの変更を比較 | Content Hub Professional Content Hub Enterprise |
ウェブサイトページ | コンテンツやレイアウトなどの変更を比較 | Content Hub Professional Content Hub Enterprise |
マーケティングEメール | 件名や送信時間、メールの内容などを比較 | Marketing Hub Professional Marketing Hub Enterprise |
A/Bテストを実施したいコンテンツが何かにより、対応製品やプランが異なるので、
事前に確認しておく必要があります。
すでに無料プランやStarterプランを導入いただいている企業様で、A/Bテスト機能を活用したいという場合は、プランをProfessionalまたはEnterpriseにアップグレードする必要があります。
A/Bテストの実施手順
ここでは、実際のA/Bテストの実施手順を見ていきましょう。
仮説を立てる
まず、何をテストするか明確にするための仮説を立てます。
例えば、「ボタンの色を変更することで、クリック率が向上するのではないか」といった仮説を設定します。
この仮説が明確であればあるほど、テスト結果を正確に評価することができます。
A/Bテストの作成をする
作成手順は下記のとおりです。
①HubSpotアカウントにて、「コンテンツ」>「ランディングページ」の順に進む
※ウェブサイトページのA/Bテストをしたい場合は「コンテンツ」>「ウェブサイトページ」を選択。②以降はランディングページと同様の手順
②該当するランディングページの名前をクリックする
③左上のメニューから「ファイル」をクリックし「新規」 > 「A/Bテストを実行」を選択する
④2パターンでテストを実行したい場合は「A/Bテスト」をチェックし「次へ」を押す
※3パターン以上でテストを実行したい場合は「適応型テスト」をチェックしてください
※最大5パターンまでの同時テストが可能です
⑤テストを実行画面で任意のバリエーション名を設定し、「バリエーションを作成」を押す
⑥自動的にAとBの2つのバリエーションのランディングページが作成される
※左上のプルダウンメニューでAとBを切り替えることが可能
⑦AとBで比較したい部分をBのバリエーションで変更する(例:CTAやメインビジュアルの画像など)
⑧作成したAとBのランディングページを広告運用などに設定し、A/Bテストを実行する
テスト結果を分析する
予め設定していた期間でのA/Bテストが終了したら、その結果から仮説が正しかったのか、それとも予想と異なる結果が出たのかを評価しましょう。
例えば、下記のようなイメージです。
◆A/Bテストの実施内容
・実施箇所
ランディングページのCTAボタンの色を変更する。(例: A 赤色/B 黄色)
・実施内容
CTAボタンの色を変更して、ユーザーのクリック率が向上するかをテストする。
・仮説
ランディングページのベースカラーが青色なのに対して、AのCTAボタンは赤色である。
Bでは、青色の補色である黄色いCTAボタンに変更することにより、
CTAボタンが目立ちクリック率が上昇するのではないか。
・結果分析
赤色のCTAボタンと黄色のCTAボタンを比較したテストでは、
赤いボタンの方がクリック率が21%上昇するという結果が得られた。
・評価
ランディングページのCTAボタンの色は、ベースカラーに対する補色を用いる方が
クリック率が上がる傾向にある。
もし結果が仮説とは異なる場合は、その原因を見極めます。
仮説通りの結果が得られた場合でも、さらに良いパターンがあるかどうかを探り、引き続きABテストと評価を繰り返して問題点を特定していく必要があります。
ABテストは一度だけで完了するものではなく、ユーザーの行動は時間や状況によって変わるため、継続的な調整と改善が不可欠です。
さらに、成功したパターンは他のページにも展開していくことで、全体的な改善効果が見込めます。
A/Bテストをする際の注意点
仮説を立ててからテストする
A/Bテストを実施する際、まず最初に「仮説を立てる」ことが最も重要になります。
この仮説が明確でないと、テストの結果から何を学ぶべきかを判断することが難しくなり、最終的にはせっかく行ったテストも無駄になってしまいます。
改めてですが、「仮説」とは、テストの結果を通じて証明したい推測のことです。
例えば、下記のような例が挙げられます。
◆仮説の例
・ランディングページのCTAボタンを目立つ色に変更することで、クリック率が上がるのではないか
・Eコマースサイトで商品ページの説明文をより具体的にすることで、購入率が上がるのではないか
・ランディングページの問い合わせフォームの項目数を少なくすることで、コンバージョン率が上がるのではないか
・商品説明の動画をランディングページに埋め込むことで、購入検討者のサービス理解が深まりコンバージョン率が上がるのではないか
このように、仮説が明確であることで、どの要素が結果に影響を与えたのか、そして仮説が正しかったかどうかをデータから判断することができ、次のアクションにつなげやすくなります。
仮説を立てないテストは、データを得てもその解釈が難しくなり、最適な結論を導くことができなくなるリスクがあるので要注意です。
要素は1つずつ変えてテストする
ABテストでは、一度に変更する要素を1つに絞ることが重要です。
複数の要素を同時に変更してしまうと、どの要素が結果に影響を与えたのかが不明確になるためです。
例えば、ランディングページのテストで、CTAボタンの色と文言を同時に変更した場合、
クリック率の変化が「色」によるものか「文言」によるものかがわからなくなってしまいます。
するとテストの結果と考察に揺れが生じてしまい、効果的な改善が難しくなります。
仮に、ウェブサイトページのボタンの色を変更したテストと、ボタンのテキストを変えたテストを行いたい場合でも、まず最初のテストでボタンの色を変更するテストを行い、
次のテストでボタンのテキストを変更するテストを行うようにしましょう。
2つのバージョンを同時にテストする
ABテストの効果を最大化するためには、2つのバージョンを同じ条件下で同時にテストすることが必要です。
同時にテストを行うことで、季節やトレンド、競合状況などの外部要因に左右されることなく、
純粋にどちらのバージョンが効果的かを判断することができます。
もし異なるタイミングでテストを実行すると、外部環境の変化によって結果が大きく異なる可能性があるため、正確な比較ができなくなるリスクがあります。
事例として、ある企業がウェブページのABテストを行う際、バージョンAを1ヶ月目に、バージョンBを2ヶ月目にテストした場合、時期によるユーザー行動の変化やマーケット状況の違いが結果に影響を与える可能性があります。
一方、同じ時期に両バージョンを同時にテストすれば、外部要因は統一され、結果の信頼性が高まります。
このように、同条件でのテストは、データの一貫性と信頼性を保つために不可欠です。
テスト期間は2週間以上とる
ABテストを行う際、テスト期間の長さも非常に重要な要素です。
テスト期間が3日や1週間などと短すぎてしまうと、得られるデータが少なく統計的に有意な結果を得ることが難しくなります。
特に、ウェブサイトページやマーケティングEメールのようにアクセスやインタラクションの頻度が不均一なコンテンツでテストする場合、短期間でのテスト結果が正確に出ない場合があります。
そのため、少なくとも2週間以上のテスト期間を設けることが推奨されます。
例えば、ある企業がメールのABテストを1週間だけ実施した結果、クリック率の変化が見られなかったとします。しかし、テスト期間を2週間に延長したところ、週末にメールを開封するユーザーが多く、クリック率が大幅に向上したことがわかりました。
このように、テスト期間を十分に確保することで、ユーザーの行動パターンや、外部要因に左右されない信頼性の高いデータを収集できます。
テスト期間を適切に設定することで、より正確な判断ができるようになり、最適な改善策を見出すことができるようになります。
ABテスト機能の活用でコンバージョン率を最適化
いかがでしたか?
HubSpotのABテスト機能を効果的に活用することで、ユーザーに最も効果的なコンテンツを常に保つことができ、ランディングページやマーケティングメール、広告などのパフォーマンスを高めることができます。
一度限りではなく繰り返しテストを実行して、最も効果的なパターンを選び出し、コンバージョン率を向上させ、ビジネスの成果を最大化していくためのツールとしてぜひご活用ください。
この記事を監修した人
髙山博樹
ナウビレッジ株式会社 取締役CMO
上場企業で勤務後、ナウビレッジ創業メンバーとして参画。 2年でマーケティングコンサルタントとして企業規模、業界に関わらず50社支援し、150のプロジェクトを経験。 マーケティング戦略の策定から実行(サイト制作や広告運用、SEOなど)に携わる。 CMOとしても自社のマーケティング領域におけるリード獲得やコンテンツ制作を担い、そこで得た知見を活用して社内外のマーケティング活動に役立てている。HubSpot導入支援サービスの責任者。
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