HubSpotの「ペルソナ作成ツール」とは?作成方法と活用法を徹底解説
- HubSpot
- ペルソナ
2024.12.24
2024.12.26
「ペルソナ」とは、マーケティング活動においてターゲットとする「理想的な顧客像」を具体的に定義する手法の一つです。
ターゲット顧客をより深く理解し、適切なアプローチを設計するために定義する必要があります。
HubSpotでは、このペルソナを簡単に作成できる「ペルソナ作成ツール」を提供しています。
この記事では、HubSpotのペルソナ作成ツールについて、その必要性や具体的な作成方法、さらには実際の活用方法まで詳しく解説します。
こんな方におすすめ
- 顧客理解を深めたいと考えるマーケティング担当者
- 初めてマーケティング戦略を立案するマーケティング担当者、経営者
- コンバージョン率を高めたいと考えているマーケティング担当者
- 営業活動を効果的にするためにターゲットを明確化したい営業担当者
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目次
ペルソナとは
ペルソナの基本概念
ペルソナとは、サービスの対象となるターゲット顧客をより具体的かつ詳細に定義した「仮想の人物像」です。
ターゲット顧客をより深く理解し、適切なアプローチを設計するために不可欠で、ペルソナの作成はマーケティング活動に欠かせません。
例えば、「32歳男性の営業職で、日々業務効率化を求めている田中さん」といった形で、名前や職業、年齢、趣味嗜好、課題やニーズなどを盛り込んだプロファイルです。
単なるターゲットセグメントとは異なり、より具体的でリアルな顧客像を明確化することで、マーケティング活動の効果を高めることができます。
HubSpotでは、このペルソナを「バイヤーペルソナ」と呼んでいます。
ターゲットとの違い
ターゲットは「30代の営業職」という広い範囲を指すのに対して、ペルソナは「30代後半の男性、営業部の課長でチームの仕事を効率化するために新しいツールを探している田中さん」のように、あたかも本当に存在するかのように具体的な顧客像に落とし込む点で異なります。
ターゲットは「戦略実行先の大きな集団」であるのに対して、ペルソナは「実際に自社製品を購入してくれそうな架空の顧客像」といった違いがあります。
ペルソナがマーケティングにおいて重要な理由
では、ペルソナはマーケティング活動においてどのような役割を果たすのでしょうか。
ここではペルソナがマーケティング活動で重要な理由について解説します。
理由1.ターゲットの明確化と理解の有無で施策が変わる
マーケティング活動において、自分たちが提供する製品やサービスを「購入してくれる人」はどのような人物なのか?ということを理解することは、成果を出すためにも重要です。
ペルソナを作成することで、顧客のニーズや課題をイメージし、理解することができ、そのペルソナに対して施策を企画・実施すればリアリティのある施策を打ち出すことが可能です。
以下のどちらがより顧客を理解し、施策に反映できていると言えるでしょうか。
A)中小企業で働くIT担当者が、業務効率化のためのツールを探している
B)都内の中小規模の運送会社で働く30代男性のIT担当者大谷さんは、社内の紙での承認フローが無駄だと感じ、業務効率化をすべくペーパーレス化ツールを探している
Bの方が、より具体的に顧客像を掴んでいると言えますよね。
Aは、その担当者が何に苦労しているのか、どこに課題を感じているのか、どのような解決策を求めているのかが不明確ですが、Bは具体的に把握できています。
ターゲット顧客の情報を掘り下げることで、製品やサービスをどのチャネルで、どのようなテキストで訴求すべきかが見えてきます。
理由2. 効果的なコミュニケーションがとれる
ペルソナをもとに顧客とのコミュニケーションを設計すれば、相手の興味や関心を引きやすいパーソナライズされたアプローチが可能になります。
例えば、効率化を重視する顧客には以下のような提案を広告分やバナーに盛り込むという工夫ができます。
- ツール導入後の時間短縮のBefore/Afterの具体例を示す
- 「ペーパーレス化」という文言を盛り込み興味を引く
- 運送会社でのツール導入効果を打ち出す
などです。
ペルソナごとに顧客に響きやすいアプローチを設計することで、メルマガや広告配信、ウェブサイト上でメッセージ性をもった施策を展開できます。
意思決定の一貫性と効率化
マーケティング活動では、時に戦略の方向性がブレることがあります。
顧客増や戦略の方向性が曖昧だと、マーケティング活動がスムーズに進まなくなります。
しかしペルソナを作成しておくことで、全ての関係者が「この製品・サービスは、具体的にどのような顧客をターゲットとしているのか」を共通認識として持つことができます。
結果的に、チーム間での意思決定がスムーズになり、効率化にもつながります。また一貫性のある意思決定ができるため、戦略の方向性がブレることもなくなります。
HubSpotでのペルソナ作成方法
HubSpotでペルソナを作成する方法は、以下の2種類あります。
・HubSpotの「ペルソナ作成ツール」を利用して作る
・HubSpot管理画面の「プロパティー」から作る
それぞれの作成手順をご紹介します。
方法1:HubSpotの「ペルソナ作成ツール」を使用して作成する
①「ペルソナ作成ツール」にアクセスする
②[ペルソナを作成する] をクリックする
③ステップ1:「ペルソナの名前」を設定し、「アバター」を選択する
(例:マーケティングマネージャーの高橋)
④ステップ2:ペルソナの「年齢」と「最終学歴」を設定する
(年齢の例:35~44歳)
(学歴の例:大学卒)
年齢は以下より選択できます。
・18歳未満
・18~24際
・25~34歳
・35~44歳
・45~54際
・55~64歳
・65歳以上
最終学歴は以下より選択できます。
・中卒以下
・高卒または高等学校卒業程度認定取得
・大学中退
・短大卒
・大学卒
・大学院修士課程修了
・専門職短期大学卒または専門職大学卒
・大学院博士課程修了
⑤ステップ3:ペルソナの「企業が属している業種」と「企業規模」を設定する
(業種の例:食品、飲料)
(企業規模の例:従業員5,001~10,000人)
業種は以下より選択できます。
販売/金融/製造/投資/小売/テクノロジー/広告/銀行/製薬/マーケティング/貿易/交通・輸送/不動産/医療/保険/農業/建設/食品・飲料
企業規模は以下より選択できます。
・個人事業主
・1~10人
・11~50人
・51~200人
・201~500人
・501~1,000人
・1,001~5,000人
・5,001~10,000人
・10,001人以上
⑥ステップ4:ペルソナの「役職」「業務の評価項目」「上司の役職」を設定する
(役職の例:マーケティングマネージャー)
(評価項目の例:創出した売上高、利益)
(上司の例:社長)
⑦ステップ5:ペルソナの「目標や目的」「課題」「職務」を設定する
(目標や目的の例:リード数の増加、収益拡大)
(課題の例:顧客との関係構築やコミュニケーション)
(職務の例:広告運用、コンテンツ作成、数値管理)
⑧ステップ6:ペルソナが「業務で使用するツール」や「連絡手段」を設定する
(ツールの例:CMS、ビジネスインテリジェンスダッシュボード、CRM、プロジェクト管理ツール、Eメール、レポート作成ソフトウェア)
(連絡手段の例:電話、テキストメッセージ、対面)
⑨ステップ7:ペルソナの「業務に関する情報の入手方法」や「利用しているSNS」を設定する
(入手方法の例:イベントへの参加、広告代理店へのヒアリング)
(利用SNSの例:Facebook、Instagram、X、LinkedIn)
⑩ペルソナが完成!
修正や追加も、この完成画面で編集することが可能です。
情報を修正したい場合は「新しいセクションを追加+」をクリックすると、テキストが打ち込めるようになります。
方法2:HubSpot管理画面の「プロパティー」から作成する
こちらの方法は、「プロパティー」としてペルソナを作成、登録する方法です。
①HubSpot管理画面の「設定マーク」をクリックする
②左サイドメニューの「データ管理」の [プロパティー] をクリックする
③検索窓で「ペルソナ」と検索する
④出てきた検索結果の「ペルソナ」をクリックする
⑤プロパティーを作成するように必要情報を入力後、任意のペルソナ情報を設定し、[保存]をクリックする
こちらで、ペルソナをプロパティーとして作成する作業の完了です。
作成したペルソナを活用したマーケティング戦略
ペルソナをただ作成するだけでは意味がありません。
その後のマーケティング活動にどう活かすかが重要です。
以下では、ペルソナを活用する具体的な方法を以下の手順で解説します。
顧客一人ひとりの興味に基づいたパーソナライズドコミュニケーション
まず、ペルソナの活用により顧客に応じたパーソナライズドなコミュニケーションを行うことができます。
例えば、「時間短縮」や「業務効率化」を重要視するペルソナを設定した場合、このペルソナには以下のようなアプローチが効果的です。
〈アプローチ例〉
・Eメール配信
「導入するだけで現場の作業時間を50%短縮できる方法を公開!」といった件名で時短にフォーカスした情報や製品の活用方法を送付する
・広告配信
「業務効率化に成功!作業時間50%短縮を実現したツールはこちら」のような文言やバナーを作成しターゲットに配信する
このようにペルソナをもとにターゲット顧客の興味・関心に特化した内容を露出することで、エンゲージメントを高めることができます。
ペルソナごとのカスタマージャーニーに合わせた施策設計
ペルソナがカスタマージャーニーのどのステージにいるかを考慮し、それに合わせた施策を展開することで、顧客体験をより最適化することができます。
ペルソナごとに、購入までにたどる「カスタマージャーニー」は異なります。
それに基づいて施策を企画・設計することで、よりスムーズに購買まで繋げられれうようになります。
例えば、以下のようなステージごとの施策が考えられます。
- 認知段階
「まだはっきりと課題を認識していない」層に向けて、ペルソナに関連する課題を提起するブログ記事やSNS投稿を発信する
例:「営業の現場で手間がかかるメール作成業務を効率化できる方法をご存知ですか?」 - 検討段階
「具体的な解決策を探している」層に向けて、製品やサービスの詳細や導入事例を発信する
例:「実際にXXツールを導入し、業務効率を30%向上させた事例はこちら」 - 意思決定段階
「比較・選定を進めている」層に向けて、導入後のサポート体制や価格表をわかりやすく提示する
例:「導入前後のサポートも万全。今なら期間限定で無料トライアル実施中!」
このように、ペルソナごとの段階に合わせた施策やコピーを考案し実施することで、顧客体験の質を向上させることができます。
ペルソナごとの施策の効果分析による精度向上
実施した施策の効果を分析し、ペルソナごとに最も効果的な方法を見つけることで、マーケティング戦略をさらに精度の高いものにしていくこともできます。
例えば、以下のように分析することができます:
- Eメール配信の開封率・クリック率
「業務効率化」を重視するペルソナ向けのメールに対して開封率が50%を超えた場合、このアプローチが適切であると判断できる - ウェブサイトやブログ記事の滞在時間
ペルソナごとのコンテンツに対して滞在時間が長い場合、内容がターゲットに響いている可能性が高いと判断できる - コンバージョン率
特定のペルソナを対象にした広告キャンペーンでの問い合わせ数や購入数を測定し、どの施策や伝え方がより効果的かを把握できる
データをもとに、「どのペルソナにはどの施策が効果的か」を継続的に洗練させることで、マーケティングの精度を向上させることができます。
HubSpotのペルソナ機能を利用できる製品・プラン
HubSpotのペルソナ作成ツールは、以下の製品・プランで利用可能です。
- すべての製品およびプラン
無料プランを導入されている場合も作成することができます。
また、ペルソナの作成上限数なども設けられていませんので、自社のターゲットに合わせたペルソナを複数作成することが可能です。
HubSpotでペルソナを作成してマーケティング力を強化しよう
いかがでしたか?
サイト制作、ランディングページ制作、ブログ記事制作、広告運用、、、などすべての施策において、まず初めにペルソナ作成をすることでチームの認識のズレや施策のブレを防ぐことができます。
ペルソナを作成して、ターゲット顧客像をより明確化し、マーケティング施策の質の向上や、成果に繋げていきましょう。
この記事を監修した人
髙山博樹
ナウビレッジ株式会社 取締役CMO
上場企業で勤務後、ナウビレッジ創業メンバーとして参画。 2年でマーケティングコンサルタントとして企業規模、業界に関わらず50社支援し、150のプロジェクトを経験。 マーケティング戦略の策定から実行(サイト制作や広告運用、SEOなど)に携わる。 CMOとしても自社のマーケティング領域におけるリード獲得やコンテンツ制作を担い、そこで得た知見を活用して社内外のマーケティング活動に役立てている。HubSpot導入支援サービスの責任者。
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