請求書作成もHubSpotで完結!作成・管理の方法と注意点を解説
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- 請求書
2025.06.05
2025.06.01
HubSpotはマーケティングや営業支援のツールとして知られていますが、実は経理業務にも活用できることをご存知でしょうか?
HubSpotを活用して、「請求書の作成・管理・送付」といった業務を効率的に行うことが可能です。
さらに、取引情報や顧客情報と連携させることで、営業から請求までのフローを一元管理できるようになります。
本記事では、HubSpotを活用した請求業務の運用方法をご紹介します。
こんな方におすすめ
- 営業・マーケティング部門と経理部門で情報連携に課題を感じている方
- HubSpotを導入しているが、請求業務への活用方法が分からない方
請求業務にお悩みではありませんか?
- ・ 営業・経理部門の連携ができていない
- ・ 見積書と連動した請求書発行ができていない
- ・ 顧客情報と請求書業務が切り離されていて面倒
HubSpotの導入については、ナウビレッジへお気軽にご相談下さい。
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目次
HubSpotでできる請求書業務
HubSpot単体でもある程度の請求業務をカバーできますが、会計処理まで完結するには外部ツールとの連携が必要です。
以下に、HubSpotでできること・できないことを整理します。
▼HubSpotでできる請求業務一覧
業務 | HubSpot単体で可能 | 外部ツール連携で可能 |
---|---|---|
請求書の作成 | 〇 | 〇 |
適格請求書対応(インボイス制度) | △ 専用記載欄はないものの、コメント欄にて対応可能 | 〇 「freee会計」「マネーフォワード」などとの連携で可能 |
請求書の送付 | 〇 (メールテンプレート機能+リンク機能の併用) | 〇 |
コンタクト・会社・取引との紐づけ管理 | △ コンタクト・会社のみ紐づけ可能可能 | 〇 販売管理システム「board」との連携により、HubSpotの取引とboardの案件の紐づけ可能 |
入金管理・会計仕訳 | △ 手動で対応可 | 〇 「freee会計」「マネーフォワード」「board」などとの連携で可能 |
請求書の一元管理 | 〇 | 〇 |
請求書の一元管理においては、請求書を管理するための専用の「請求オブジェクト」を利用します。
この請求書オブジェクトは、すべての製品とプランにて利用可能です。
HubSpotで請求業務を行うメリット
HubSpotを使って請求業務を行う大きなメリットは、営業の仕事と経理の仕事をひとつのツールの中でまとめて管理できることです。
たとえば、「契約が決まったら請求書を作って送る」「入金されたかを確認する」といった一連の流れを、すべてHubSpotの中で完結させることができます。
▼主なメリット
・営業・経理の連携がスムーズになる
営業が入力したデータを基に請求書作成ができます。
・請求書の作成・送信が簡単である
数クリックで請求書の作成と送付が完了します。発行済みの見積書から請求書を作成することも可能です。
・他の請求・会計ソフトとの連携ができる
freeeやマネーフォワードなどの外部ツールとつなげれば、より本格的な請求書発行や会計処理も行えます。
一見するとCRMとは無縁に見える「請求業務」も、HubSpotの活用次第でスマートに実現できます。
請求書機能を利用する際の注意点
HubSpotで請求書の作成や送付ができるのは非常に便利ですが、日本独自の商習慣や法的要件に対応しきれていない部分があります。
そのため、利用の際には先ほど述べた外部ツールを連携させるなどの補足対応が必要になるケースもあります。
印鑑文化への非対応
HubSpotで発行される請求書は、海外の仕様に基づいたテンプレートになっています。
そのため、日本で一般的とされる「社判」や「角印」などの印鑑の押印欄が標準で用意されていません。
多くの日本企業では、「押印された請求書」が求められる場面があります。
このような場合には、以下のような補足対応が必要となります。
▼補足対応の例
・HubSpotで生成した請求書に対して、別のツールで電子印鑑を挿入する
・HubSpotで作成した請求書を印刷して手押し印を加える
インボイス制度(適格請求書)への不完全対応
日本では2023年(令和5年)10月1日からインボイス制度が始まりました。
それにより、「適格請求書発行事業者番号」や「税率ごとの消費税額の明記」など、法的要件を満たした請求書の発行が求められるようになりました。
▼インボイス制度により記載しなければならない項目
・交付先相手の氏名or名称
・適格請求書発行事業者番号
・取引年月日
・取引内容
・適用税率
・税率ごとの消費税額

しかし、HubSpotの標準の請求書テンプレートでは、これらの要件を完全に網羅できていません。
▼HubSpotの標準テンプレートに欄がない項目
・適格請求書発行事業者番号
・適用税率
・税率ごとの消費税額
現時点では、「発行事業者番号」や「適用税率」「税率ごとの消費税額」は、専用の記載欄が設けられていないため、請求書のコメント欄に記載することで対応が可能です。
コメント欄は毎回記入する必要はなく、保存したテンプレートやスニペットを呼び出すことで作業の効率を高められます。
このように、HubSpotの請求書機能はとても便利ですが、日本独自の商慣習や法制度に準ずるためには、必要な補足対応が必要になることを認識しておきましょう。
HubSpotで請求書を作成する手順
HubSpotで請求書を作成する手順は以下の7つのステップに分けられます。
①「新規請求書」を作成する
②「請求先」「期日」「請求書番号」などを設定する
③「商品項目」を設定する
④「適格請求書発行事業者の登録番号」「振込先」を記載する
⑤「支払いの回収」を設定する
⑥ 詳細設定をする
⑦ 請求書のデフォルトを設定する
それぞれ解説していきます。
「新規請求書」を作成する
①HubSpot管理画面の左サイドメニューより [CRM(顧客管理)]をクリックする
②オブジェクト右横の「V(下矢印)」マークをクリックする
③プルダウン選択で「請求書」を選択し、請求書オブジェクトにアクセスする

④[作成]ボタンをクリックする

「1回限りの請求書を作成」または「定期的な請求書を作成」のどちらかをクリックする
※作成したい請求書タイプにより選んでください

⑤こちらの画面になったら請求書のベース作成ができています

「請求先」「期日」「請求書番号」などを設定する
①請求先の情報を設定する
設定すべき項目は以下です
・請求先コンタクト
・会社
・請求先住所
・発送先住所

②その他の請求書の情報を設定する
設定すべき項目は以下です
・請求書の日付
・支払い条件
・支払い期日
・次回の請求書番号
・発注番号
この中で、「期日」と「次回の請求書番号」は、HubSpotの設定画面で設定した情報が自動反映される仕組みになっています。自動反映される情報の設定は後述します。

「商品項目」を設定する
①商品項目の設定を[製品ライブラリーから選択]または[カスタム商品項目を作成]より、製品を選択し設定する

▼製品ライブラリーから選択 をクリックした場合
予め商品オブジェクトに登録済みの製品一覧より、選択可能です

▼カスタム商品項目を作成 をクリックした場合
商品一覧に内製品を、この画面から新たに追加して請求書に反映することが可能です

②今回は、製品一覧より製品選択し、このように請求書に反映する

③「割引」の設定が必要な場合は、設定をする
単位は、「%」または「円」より選択し、設定可能です

④「税率」の設定をする

「適格請求書発行事業者の登録番号」「振込先」を記載する
①「適格請求書事業者の登録番号」と「振込先情報」は、コメント欄を利用して記載する
コメント欄の記述は、HubSpotの設定画面で設定した情報が自動反映される仕組みになっています。

②HubSpot管理画面の右上の「設定マーク」をクリックする
③「データ管理」のなかの[オブジェクト] > [請求書]をクリックする

④こちらのコメント欄に、必要情報を記載する

「支払いの回収」を設定する
①請求書の支払いを回収する方法を選択する
回収方法は、以下の2つより選択可能です
・保存済みの支払い方法を使用して請求書に対する請求を行う
・顧客に支払いを要求するために請求書を送信

②必要な場合は「オンライン決済に対応」をONにし、以下の詳細設定で許可したいものにチェックを入れる
・利用可能な支払い方法(クレジットカードまたはデビットカード)
・請求先住所(クレジットカードでの購入の請求先情報を自動収集する)
・発送先住所(発送先住所を自動収集する)
・今後の請求に備えて支払い方法を保存(支払い方法をデフォルトとして保存する)
・一部支払い(一部支払いを顧客に許可する)
詳細設定をする
①詳細設定を行う
ここでは、以下の設定が可能です
・言語(モジュールのタイトルとラベルに使用される言語)
・ロケール(ロケール別に日付と住所の形式を指定)
・ドメイン
・コンテンツスラッグ
・税ID(HubSpotアカウントに登録している納税者ID)

②この中で、「税ID」は、HubSpotの設定画面で設定した情報が自動反映される仕組みになっています。
設定箇所は、先述した「適格請求書発行事業者の登録番号」の設定と同じ画面から行うことができます。
請求書のデフォルトを設定する
①HubSpot管理画面の右上の[設定マーク] をクリックし、 「データ管理」のなかの[オブジェクト] > [請求書] > [カスタマイズ]をクリックする
②「会社情報」「コメント」「税ID」「サブスクリプションの請求書」などを設定する
▼「会社情報」の設定

▼「コメント」「税ID」「サブスクリプションの請求書」の設定

HubSpotで請求書を送付する手順
①請求書を作成し終えたら、右上の [作成](編集情報を更新した場合は[請求書を更新] )をクリックする

②すると、メーラーが起動するので、必要情報や文章を記載し、送信する

請求レポートの作成が可能

HubSpotでは、請求書の作成・送付にとどまらず、レポート機能を活用して請求・入金状況を可視化することもできます。
「請求書」オブジェクトを利用している場合は、請求内容や回収状況をもとにした標準レポートが自動的に生成されるようになっています。
▼HubSpotで自動生成されるレポートの種類例
・月別の予測収益と実績収益の比較
・請求タイプごとの未回収残高の推移
・売掛金の回収期間別サマリー(エイジングレポート)
・期日どおりに支払われた請求書一覧
・支払期限を過ぎた請求書一覧
・処理が完了していない請求書一覧
・売掛金の期間別残高(未処理請求書の金額内訳)
HubSpotの請求書作成機能を活用すべきケース
HubSpotの請求書機能を利用するうえでの注意点などもあるなかで、どのようなケースで本機能を活用すると良いのでしょうか。
主に2つのケースをご紹介します。
顧客データと請求データの一元管理がされていない場合
請求書の作成や送付に手間がかかる大きな原因の一つに、「顧客情報がバラバラに管理されている」ことが挙げられます。
たとえば、営業部はスプレッドシートで顧客リストを管理し、経理部は別の会計ソフトで請求書を作成している…といった状態の企業も少なくありません。
この場合、情報の確認や照合に時間がかかり、人的ミスも起こりやすくなってしまいます。
HubSpotでは、顧客情報(コンタクト)、会社情報、取引情報などを一つのプラットフォームで一元管理できるという強みを活かして、請求書オブジェクトを使って全ての情報を一元管理できるため、どの取引に対して、誰に(どの会社に)請求したのかをひと目で把握することができます。
顧客情報や請求情報の管理が分断されていると感じている企業にこそ、HubSpotの導入は効果を感じていただけるかと思います。
顧客とのやりとりや部署間の連携をスムーズにしたい場合
請求業務には、営業・経理・カスタマーサポートなど、複数の部署が関わります。
しかし、部門ごとに使うツールが異なっていたり、情報共有が徹底されていなかったりすると、「誰がどのような対応をしたのか」が分からず、確認や修正に時間がかかってしまいます。
HubSpotでは、アクティビティタイムラインという機能を通じて、顧客とのやりとりや社内での対応履歴をすべて一元的に記録・可視化できます。
たとえば「いつ」「誰が」「どのようなメールを送ったか」「どの通話を記録したか」「どのタスクを完了させたか」といった情報が、顧客ごとの画面でひと目で分かります。
これらの情報は、営業だけでなく経理やサポート部門もリアルタイムで確認できるため、「この請求書は、どの取引内容に基づいたものか」「すでに顧客とどういったやりとりがあったのか」といった判断を、スピーディーかつ正確に行うことができます。
HubSpotで経理業務を正確かつスピーディーに
いかがでしたか?
HubSpotといえば「営業・マーケティング向けのツール」というイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、請求書の作成・送付・管理といった経理業務にも十分に活用できる機能が備わっていることをご紹介してきました。
営業活動や顧客対応のデータがHubSpot内に蓄積されているからこそ、そこに紐づく請求業務もスムーズに行えます。
HubSpot単体では叶わない部分は、マネーフォワードやfreeeなどの外部会計ツールと連携させれば、より高度な経理処理もカバーでき、バックオフィス業務全体の効率化にもつながります。
スムーズで無駄のない請求業務をしたいという方は、ぜひ検討してみてください。
この記事を監修した人
髙山博樹
ナウビレッジ株式会社 取締役CMO
上場企業で勤務後、ナウビレッジ創業メンバーとして参画。 2年でマーケティングコンサルタントとして企業規模、業界に関わらず50社支援し、150のプロジェクトを経験。 マーケティング戦略の策定から実行(サイト制作や広告運用、SEOなど)に携わる。 CMOとしても自社のマーケティング領域におけるリード獲得やコンテンツ制作を担い、そこで得た知見を活用して社内外のマーケティング活動に役立てている。HubSpot導入支援サービスの責任者。
請求業務にお悩みではありませんか?
- ・ 営業・経理部門の連携ができていない
- ・ 見積書と連動した請求書発行ができていない
- ・ 顧客情報と請求書業務が切り離されていて面倒
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