ワークフローアクション「Breezeに尋ねる」とは?活用事例をご紹介
- HubSpot
- AI
2025.07.22
2025.07.22
HubSpotのワークフローのアクションに「Breezeに尋ねる」というものがあります。
「Breezeに尋ねる」とは、問い合わせ内容の分類やレコードの要約をしてくれるAIアクションです。
これを使うことにより、これまでHubSpot内で手作業で行っていた業務をBreezeが自動で処理してくれるようになります。
指示文(プロンプト)を入力するだけで、レコードの編集や分岐処理に役立つ出力を得られるため、業務のスピードと品質を同時に高めることが可能です。
本記事では、「Breezeに尋ねる」アクションの概要から、具体的な設定方法、活用事例、注意点までをわかりやすく解説します。
▼この記事の要約
・「Breezeに尋ねる」は、ワークフローのアクションでBreeze AIを活用できる機能
・問い合わせ内容の自動分類やレコードの要約などの業務を効率化できる
・出力内容はレコードの編集や分岐処理にも活用できる
・月間3,000回の実行制限があるため、重要なプロセスへの組み込みには注意が必要
こんな方におすすめ
- Breezeに尋ねるアクションの使い方がわからない方
- ワークフローの自動化をさらに高度化したい方
- 顧客対応や問い合わせ処理をAIで効率化したい方
HubSpotの運用にお困りではありませんか?
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目次
ワークフローの「Breezeに尋ねる(依頼)」アクションとは
「Breezeに尋ねる」(またはBreezeに依頼)は、HubSpotのワークフローに組み込めるAIを利用したアクションの一つです。
AIに対して指示文(プロンプト)を送信すると、それに対する返答を、ワークフローの出力値(アウトプット)として受け取ることができます。
この出力値「応答」は、ワークフロー内の後続アクションで「変数」として利用することが可能です。
たとえば、「レコードを編集」アクションで任意のプロパティに保存したり、「分岐」アクションで出力の内容によって処理を分けたりできます。
▼実際の「Breezeに依頼」アクションの設定画面イメージ

たとえば、以下のような使い方ができます。
・フォームから送信された「問い合わせ内容」をAIに読み取らせ、「カテゴリ(例:営業/技術サポート/クレーム)」を分類する
・顧客の情報をAIに要約させ、その要約をコンタクトのカスタムプロパティに保存する
・フィードバックの内容を受け取り、評価がポジティブかネガティブかをAIに判定させ、分岐処理に活用する
このように、従来手動で行っていた作業を、ワークフローのAIアクションを利用することで自動化することができます。
「Breezeに尋ねる」アクションの設定方法
今回は、お問い合わせフォームから送信された「お問い合わせ内容」のテキストをもとに、「相談・問合せ」か「営業」か「クレーム」かの分類を行う設定、および各分岐ごとのアクション設定を例として解説していきます。
▼完成イメージ

①HubSpot管理画面の左サイドメニューより、「自動化」>「ワークフロー」にアクセスする
②右上の [ワークフローを作成] をクリックする

③トリガーを設定する
例
手動で発動または「フォーム送信」完了/お問い合わせ内容に値があるコンタクトのみ登録する

④アクションを設定する
※ここで「Breezeに尋ねる」アクションを利用します
[+ボタン] をクリックし、[AI]をクリックする

[Breezeに依頼] をクリックする

⑤指示文(プロンプト)を入力し、保存する
例
フォーム送信の内容を分析し、以下の3つのうちどれに分類できるかを判別してください。
・営業
・お問い合わせ/相談
・クレーム
分析対象は{{ enrolled_object.comment }}です。
回答形式は「営業」「相談」「クレーム」の3つとしてください。

⑥後続のアクションを設定する
例
アクション名:レコードを編集
レコードタイプ:コンタクト
編集対象のプロパティー:問合せ種別(カスタム作成)
値を選択:応答(Breezeに依頼アクションの応答)

⑦分岐アクションの設定をする
「1件のプロパティーまたはアクション出力」を選択する

⑧分岐の詳細設定をする
※今回は、「相談」「クレーム」「適合なし」の3つの分岐で設定
※相談とクレームの場合は担当者へ通知し、適合なしの場合はマーケティングコンタクト適応外にする設定を後続で行うため

⑨「相談」の分岐の後続アクションを設定する
例
アクション名:アプリ内通知を送信
受信者:ユーザー(ナウビレッジコンサルタント)に送信
通知タイプ:パソコン
件名:新規相談がありました
本文:{{ enrolled_object.lastname }}様より新規相談依頼がありました。
確認してください。

⑩「クレーム」の分岐の後続アクションを設定する
例
アクション名:アプリ内通知を送信
受信者:ユーザー(カスタマーサポート)に送信
通知タイプ:パソコン
件名:クレーム対応依頼
本文:{{ enrolled_object.lastname }}様よりクレームをいただきました。
確認してください。

⑪「適合なし」の分岐の後続アクションを設定する
例
アクション名:レコードを編集
レコードタイプ:コンタクト
編集対象のプロパティー:マーケティングコンタクト対象外(カスタム作成)
値を選択:はい

「Breezeに尋ねる」アクションの利用例(2つ)
ここでは、2つの利用例をご紹介します。
①問い合わせ内容の自動分類(先述あり)
②レコード内容の自動要約
①問い合わせ内容の自動分類
1つ目は、フォーム経由で送信された「お問い合わせ内容」をもとに、Breezeに対して「営業/相談/クレーム」のいずれかに分類するよう依頼する使い方です。
下図のように、「Breezeに尋ねる(依頼)」というAIアクションを利用することで、AIが返した分類結果(相談/クレーム/営業)を、コンタクトのカスタムプロパティに保存したり、後続のアクションで「相談→営業チームへ通知」「クレーム→カスタマーサポートに通知」「営業→対応なし、マーケティングコンタクト対象外に設定」といった自動振り分けを実現することが可能です。
※具体的なワークフローの設定手順は、本記事の2章で解説しています

▼活用の効果
・担当者による目視確認の手間を削減できる
・対応の属人化を防止し、初動スピードを向上させる
・応対ミスや対応漏れのリスクを軽減する
②レコード内容の自動要約
2つ目は、面談の記録やチケットの応対履歴など、情報量が多くなってきたレコードや、接触初期のコンタクトレコードなどを「Breezeに尋ねる」アクションに指示して要約させる使い方です。
要約に利用する情報をコントロールして利用することができます。
下図のように、「レコードを要約」というAIアクションを活用することで、後続の対応者はレコードの情報を隅々まで目視確認する必要がなくなり、一目でレコード内容を把握しやすくなります。

生成された要約は、レコード内の「メモ」に自動保存されるように設定できます。

「Breezeに尋ねる」利用時の注意点
「Breezeに尋ねる」アクションを利用する際には、いくつかの注意点があります。
以下の3つは、主な注意点です。
・アクションは月間3,000回の実行制限がある
・AIの返答は毎回同一とは限らない(事前テストが必要)
・指示文(プロンプト)のチューニングが必要
アクションは月間3,000回の実行制限がある
「Breezeに尋ねる」アクションは、月間3,000回の実行制限があります。
制限に達すると月初までBreezeに尋ねるアクションは使用できなくなります。
そのため、重要なプロセスに利用する場合には、制限数のモニタリングをしていくことを推奨します。
AIの返答は毎回同一とは限らない
「Breezeに尋ねる」アクションで返される返答は、必ずしも毎回完全同一になるとは限りません。時には想定外の出力がされる場合もあるので認識しておきましょう。
そのため、本格的に利用する前に、十分なテストとプロンプト設計を行うことが、安定運用のカギとなります。
指示文(プロンプト)のチューニングが必要
AIを活用する際のプロンプトに曖昧な表現や自社独自の用語などを含めたりすると、意図と異なる出力がされるケースがあります。
そのため、うまく出力されない場合は、以下のような対策が有効です。
・プロンプトをできるだけ簡潔かつ明確に書く
・自社独自の用語や曖昧な表記を避ける
・出力結果を整形・検証する処理を後続のアクションで補完する
AIの出力は便利な一方で、まだ万能ではありません。ワークフローに組み込む際は、日本語での挙動を想定しながら慎重に運用設計を行うことが求められます。
「Breezeに尋ねる」アクションで業務自動化を加速
いかがでしたか?
「Breezeに尋ねる」アクションは、HubSpotのワークフローにAIの力を組み込むことで、業務の自動化と高度化を両立できる便利な機能です。
HubSpotにおけるAI活用をさらに広げたい方は、ぜひ「Breezeに尋ねる」アクションを導入し、現場での実践に取り入れてみてください。
HubSpotのAIやChatGPTなどを活用した業務効率化に取り組みたい方、相談したい方は、ナウビレッジまでお気軽にご相談ください。
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この記事を監修した人
髙山博樹
ナウビレッジ株式会社 取締役CMO
兵庫県出身。東京工業大学 修了。 上場企業で勤務後に参画。 取締役CMOとして広告・SEO・Webサイトといった多様な集客手法とCRM/SFA/MAに精通。 年間自社リード250件の体制を構築。 HubSpot導入・構築支援、拡張アプリケーション開発サービス責任者。
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