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HubSpotでABMを実装!ABMのメリットや実装方法を解説【アカウントベースドマーケティング】

  • HubSpot
  • ABM

2025.03.03

2025.03.02

ABMとは「Account Baced Marketing(アカウントベースドマーケティング)」の略で、特定のアカウント(企業)をターゲットとしてアプローチしていくマーケティング手法の一つです。

もともとは、英国のマーケティングコンサルティング会社が2000年代初めに唱えたことが始まりと言われており、近年日本でも取り入れる企業が増えてきています。

そこで本記事では、HubSpotを活用してABMを実装する方法について解説します。

こんな方におすすめ

  • ABMを初めて導入したいマーケティング担当者
  • HubSpotを利用しているが、ABMの活用方法が分からない方
  • 営業とマーケティングの連携を強化したい企業

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  • ・ ABMの取り組み方がわからない
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ABM(Account Based Marketing)とは

ABM(アカウントベースドマーケティング)は、特定のアカウント(企業)を自社のターゲットとして、営業とマーケティングが連携して戦略的にアプローチするマーケティング手法です。

リードベースドマーケティングや、デマンドジェネレーションなどと合わせてよく耳にすることもあるかと思いますが、目的やターゲット、アプローチ方法が大きく異なります。
以下の表では、それぞれの違いをまとめています。

ABMリードベースドマーケティングデマンドジェネレーション
ターゲットの範囲特定の企業アカウント個別のリード幅広い見込み顧客
目的特定アカウントとの深掘と関係構築リードの獲得と育成(ナーチャリング)広範囲な認知とリード創出
アプローチ戦略パーソナライズドアプローチリストを活用したアプローチマーケティングチャネル全体からアプローチ

ABMは、単に「見込み顧客を増やす」だけでなく、重要な顧客との関係を深め、効率よく売上を伸ばすことを目指します。

ABMを導入するメリット

ABM(アカウントベースドマーケティング)は、特定のターゲットアカウントに焦点を当てるので、従来の広範囲なマーケティングとは異なる多くのメリットがあります。
以下では、主なメリットについて解説します。

ターゲットアカウントの意思決定者にリーチしやすい

ABMでは、特定のアカウント(企業)にフォーカスすることにより、その企業の意思決定者やキーパーソンへの効率良いアプローチを実現します。

HPなどを確認すれば、そのアカウントの代表を確認でき、最近ではSNSを利用して情報発信しているキーパーソンも多いです。そこで利用しているプラットフォームなどを調査して、例えばLinkedInやパーソナライズドメールを活用して、具体的な担当者に直接アプローチすることが可能です。

大口顧客や重要顧客にフォーカスできる

大手企業や自社として長期的に取引をしたい企業をターゲットに設定し、リソースを集中させられるのもABMを導入する利点の一つです。

自社の収益への貢献度が高い企業を優先的に選定することもできるため、うまくいけば大きな利益につながりやすくなります。

投資対効果(ROI)の向上が期待できる

ABMは、リードベースドマーケティングやデマンドジェネレーションなどのマーケティング手法のように広範囲に施策を打つのではなく、特定の企業に対してのみ施策を打ちます。そのため、広告費やその他の施策コストを削減することができます。

また、「この企業の、代表取締役社長の、○○さんに対してアプローチする」というように、限定したターゲティングを行うため、顧客獲得に繋がりやすくなり、結果的に投資対効果(ROI)が向上しやすくなります。

マーケティングと営業の連携強化ができる

また、マーケティングチームと営業チームの連携強化ができる点もABMを導入するメリットです。
ABMでは、マーケティングと営業の両チームが密接に連携し、特定の企業をターゲットとした戦略を共同で展開します。

具体的には、

  • 両チームで目標設定を共有する
  • 顧客のインサイトやフィードバックを共有する
  • 進捗状況や成果を共有する

といったことをします。
両チームが同じ方向を目指すのでアプローチに一貫性を持ち、施策の調整や改善もスムーズに進めることができるようになります。

ABMを実装する方法

ABMを成功させるためには、以下の手順を踏むことが一般的です。

  1. ターゲットアカウントの選定
    自社にとって価値の高い顧客を洗い出し、ターゲットアカウントを決定します。
  2. パーソナライズされたコンテンツの作成
    各アカウントの課題やニーズに合った専用の資料、メール、ランディングページを作成します。
  3. デジタルチャネルの活用
    LinkedIn広告、メールキャンペーン、リターゲティング広告など、さまざまなデジタルチャネルを活用します。
  4. 進捗管理と分析
    ターゲットアカウントごとに進捗を管理し、必要に応じて戦略を修正します。

HubSpotのABM機能とは

HubSpotでは、ABMの実装をサポートしてくれる「ABMソフトウェア」というツールが提供されています。

  • ターゲットアカウント管理ダッシュボード:特定のアカウントに関する情報を一元管理。
  • ABMレポート:アカウント単位での進捗や成果を可視化。
  • カスタムプロパティ:ターゲットアカウント専用のデータを記録。

これらの機能を活用することで、マーケティングと営業の連携をさらに強化できます。

HubSpotでのABM実装方法

【ステップ1】チームを作る

ABM(アカウントベースドマーケティング)の実装を成功させるためには、まず専任のチームを編成する必要があります。
チームメンバーは、マーケティングと営業の両部門からそれぞれ最低1名ずつ選抜しましょう。
それぞれの役割は以下の通りです。

マーケティング
アプローチ手法の検討やデータ分析を行う

営業
ターゲットアカウント内の複数の意思決定者と効果的にコミュニケーションを取る

【ステップ2】アカウントを特定する

次に、自社にとっての「理想的な顧客像」を明確化し、それに基づいてターゲットアカウントとなる企業を特定する必要があります。

既存顧客データをベースにして、理想の顧客プロファイル(ICP:Ideal Customer Profile)を作成してください。
作成のポイントは、以下を参考にしてみてください。

情報タイプカテゴリ具体的な項目概要
属性情報業種特定の業界(例:製造業、IT企業など)自社製品やサービスと相性の良い業界を特定するのに役立つ情報
従業員数企業全体またはターゲット部署の人数規模に応じて営業・マーケティング戦略を最適化
売上規模年間売上高や成長率企業の収益性や成長性を評価し、ターゲティングに活用
所在地地理的条件(国内外、都市部など)地域ごとのニーズや条件に基づいて適切なアプローチを検討可能
行動情報購入サイクルどれくらいの頻度で製品を購入するか顧客の購買傾向を把握し、適切なタイミングでアプローチを行う指標
購入規模一度の購入金額や取引ボリューム大口取引や小口取引に応じたセールス戦略を構築可能
現在利用中のツール競合ツールや周辺ソリューションの使用状況競合分析や製品の優位性を訴求するための基礎データとして利用
予算顧客の予算感や投資可能な金額帯プライシング戦略や提案内容の調整に有用な指標
エンゲージメント情報前回の購入内容どの製品を購入し、どれだけ満足したか過去の購入履歴を基にリピート提案やフォローアップを計画可能
担当者のエンゲージメント営業やマーケティング担当者との接点回数や質顧客との接点の効果測定や改善に活用
ステークホルダー数意思決定に関与する人物の数と役割複数の意思決定者への適切なアプローチ方法を検討するための重要情報

作成したICPをヒントにして、ターゲットを特定しましょう。

【ステップ3】特定したアカウントを分類する

ステップ2で特定したアカウントをベースにして、次のステップ4でアカウントプランを作成するので、その下準備としてステップ3の「特定したアカウントの分類」を行います。

分類は、Tier1~3で分類します。
分類したら、Tierに応じてそれぞれへのアプローチ方法や具体手法を策定します。

分類詳細アプローチ方法具体手法
Tier 1
(最優先アカウント)
企業規模や商談の可能性が最も大きい、最優先のアカウント1対1の個別対応個別の課題に基づいた提案資料やデモを作成
Tier 2
(注力アカウント)
Tier 1ほどではないものの、収益貢献が期待できるアカウント1対Nのクラスター対応業界ごとに調整されたホワイトペーパーやウェビナーを提供
Tier 3
(潜在アカウント)
将来的に取引が期待できるが、現在の優先度が低いアカウント自動化対応メールキャンペーンやリターゲティング広告を活用

【ステップ4】アカウントプランを作る

次に、アカウントプランを作成します。
アカウントプランは、いわば「ターゲットアカウント内の関係者(意思決定者、エンドユーザー、技術者など)のニーズに合わせたアプローチ戦略書」のようなものです。
既存顧客データをもとに、どのような相談や問い合わせがあったのか、どのような製品・サービスの提供を実施したのかなど情報を整理することで、アカウントプランは作成できます。

以下は、アカウントプランの例です。

役割該当する役職求められるコンテンツ既存コンテンツ
意思決定者CFO、財務部長コスト削減と収益向上を証明する資料成功事例(ROI改善レポート)
リーダープロジェクトリーダー実務に役立つ操作ガイドやワークフロー解説動画製品トレーニング資料
技術者システムエンジニアシステム統合やAPI仕様を詳述した技術ドキュメント業界別の導入成功事例集
指導者営業部門長営業活動の質を高めてくれる企業の成功事例業界別の導入成功事例集

アプローチするうえで足りないコンテンツは、随時アップデートしていく必要があります。

【ステップ5】コンタクトを惹きつける

アカウントプランの作成を終えたら、いよいよアプローチに利用するチャネルの選定を行っていきます。
「どのチャネル」から、「どのようなコンテンツとメッセージ」でアプローチするかを検討します。

分類チャネルコンテンツ
Tier 1
(最優先アカウント)
・Eメール
・メルマガ
・MessengerやLinkedInなどのSNSダイレクトメッセージ
・エグゼクティブが集まるイベント
・個別の課題に基づいた提案資料
・デモの実施
Tier 2
(注力アカウント)
・メルマガ
・各種広告
・ウェビナー
・招待制の自社イベント
・業界ごとに調整されたホワイトペーパー
・ウェビナー
Tier 3
(潜在アカウント)
・メルマガ
・各種広告
・ウェビナー
・ブログ記事
・展示会
・メールキャンペーン
・リターゲティング広告を活用
・ウェビナー

【ステップ6】マーケティングと営業の連携を確認する

チャネル、コンテンツ、アプローチの際のメッセージを検討したら、いよいよアクションの実施ですが、その際どのようにマーケティングチームと営業チームは動くべきかを双方で話し合っておきましょう。
例えば、以下のようなイメージで「このような場合、こう対処する」というアクションを具体的に決めておきましょう。

  • キーマンとのコミュニケーションがとれない時
    • マーケティングチームが戦略の練り直しを行う
    • そのためのアラートまたはタスクを通知する
  • キーマンとのコミュニケーションが取れた時
    • 担当営業に通知する
  • ターゲットアカウントが2週間以上反応がない時
    • アプローチ方法の再模索をする

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今回はHubSpotでのABM実装方法やメリットについてお伝えしてきました。

ABMは、効率的かつ効果的にマーケティングと営業の成果をあげられる手法です。
自社のビジネスで実装する際には、本記事をぜひ参考にしてみてください。

HubSpotについてより詳しい情報を知りたいという方はお気軽にご相談くださいませ。

この記事を監修した人

髙山博樹

ナウビレッジ株式会社 取締役CMO

上場企業で勤務後、ナウビレッジ創業メンバーとして参画。 2年でマーケティングコンサルタントとして企業規模、業界に関わらず50社支援し、150のプロジェクトを経験。 マーケティング戦略の策定から実行(サイト制作や広告運用、SEOなど)に携わる。 CMOとしても自社のマーケティング領域におけるリード獲得やコンテンツ制作を担い、そこで得た知見を活用して社内外のマーケティング活動に役立てている。HubSpot導入支援サービスの責任者。

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