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HubSpotのライフサイクルステージを徹底解説! 設定方法と活用のコツ

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2025.02.07

2025.03.02

ライフサイクルステージは顧客がどのような状態にあるのかを表します。

企業のマーケティングや営業などの活動において、自社と顧客との関係性をきちんと把握し、関係性に合ったアプローチを適切なタイミングで行うことは極めて重要です。

HubSpotでは、顧客の状態を「ライフサイクルステージ」として整理し、成約に至るまでのマーケティングや営業、カスタマサポートにおけるアクションをサポートしてくれる優れた機能です。

本記事では、HubSpotのライフサイクルステージについて、その基本知識から具体的な設定方法、活用のポイントまでを解説します。

こんな方におすすめ

  • 顧客の状態に合わせて施策を打ちたい方
  • MAツールを活用してリードナーチャリングを強化したい方
  • ライフサイクルステージを上手く活用できていない方

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ライフサイクルステージとは

ライフサイクルステージとは何か

ライフサイクルステージとは、「見込み顧客」や「顧客」が、マーケティングプロセスや営業プロセスの中のどの段階にあるかを表すHubSpot特有の機能です。

ライフサイクルステージを用いて顧客の状態を把握することで、マーケティングや営業活動において適切な施策を講じられるようになります。

ライフサイクルステージは、HubSpotの「ライフサイクルステージ」プロパティーを使用することで、簡単に設定することが可能です。

参考:
HubSpotナレッジベース|ライフサイクルステージを使用する

HubSpotのライフサイクルステージのデフォルト

HubSpotには、以下のステージがあらかじめ用意されています。

ステージ説明
登録読者(Subscriber)ニュースレターやコンテンツに登録した、まだ商談に至っていない見込み顧客
リード(Lead)マーケティング活動を通じて収集された見込み顧客
MQL(Marketing Qualified Lead)マーケティング活動を通じて収集されたリードのなかで、営業がフォローする価値があると判断された見込み顧客(=マーケティング有効リード)
SQL(Sales Qualified Lead)営業アプローチが進み、商談が進む見込みがある見込み顧客(=営業有効リード)
商談(opportunity)すでに商談に進んだ見込み顧客
顧客(Customer)商品たサービスを購入した正式な顧客
営業パートナー(Evangelist)自社と提携し、協力して営業活動を行うパートナー
対象外(Other)いずれのカテゴリーにも該当しないケース

デフォルトのライフサイクルステージは、自社に合わせて変更することも可能です。

HubSpotにおけるライフサイクルステージの重要性

ライフサイクルステージは、顧客の状態を正確に把握し、管理を効率化するために欠かせない指標です。

ライフサイクルステージをきちんと設定し運用することは、リードナーチャリング(見込み顧客の育成)やクロスセル・アップセル施策を適切に行うための基盤となるため、設定しておくことをおすすめします。

また、組織全体で設定したライフサイクルステージを共有するため、マーケティングから営業、営業からカスタマーサービス、カスタマーサービスからマーケティング・営業という全体のプロセスにおいて、チーム間のスムーズな連携も可能になります。

HubSpotでライフサイクルステージを活用するメリット

では、HubSpotでライフサイクルステージを活用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットをご紹介します。

ライフサイクルステージごとのコンタクトの可視化と分析

ライフサイクルステージを活用することで、コンタクトが現在どのステージにいるかを把握し、各ステージごとのコンタクトの「数や歩留まり」や「施策の改善点」を分析することができます。
例えば、ダッシュボードやレポート機能を使い、MQLやSQLなど、各ステージにいるコンタクト数などのデータを可視化することができます。

データを可視化すれば、リード獲得から成約に至るプロセス全体のボトルネックを迅速に特定できます。
例えば、「MQLがSQLに進む割合が低い」というデータが示された場合、問題の原因を分析し、リード獲得の方法やアプローチのタイミング、提供するコンテンツの品質などの具体的な課題を特定できます。

ボトルネックが何かが判明した場合、マーケティングチームはリードナーチャリング(育成)のコンテンツを改善する、営業チームはアプローチのタイミングや方法を改善するなどの対策を実施できます。

各ステージに応じたマーケティングアプローチ

ライフサイクルステージを活用することで、各ステージのコンタクトの状態に応じた適切なコンテンツの提供やアプローチを実施できます。
例えば、下記のようなことができます。

・登録読者向け
メルマガ登録者などの初期段階では、製品やサービスをいきなり紹介するよりも、業界のトレンドや学習用の教育コンテンツ(例:ブログ記事や動画)などを配信することで、自社に対する信頼を構築しやすくなります。

・MQL(マーケティング有効リード)向け
MQLの段階では、見込み顧客が製品やサービスに興味を持っていると判断できるため、ホワイトペーパーや顧客事例、製品の詳細情報を提供すると効果的です。また、ウェビナーやデモ予約への案内をすることで次のアクションにつながりやすくなります。

・SQL(営業有効リード)向け
SQLの段階では、見込み顧客が購入を検討していると判断できるため、営業担当者が直接連絡を取り、顧客の課題に合った解決策や商品を提案すると効果的です。必要に応じて、具体的な見積もりや導入後のサポートプランを提示すると、より信頼を得やすく成約に近づきます。

このように、各ステージごとにコンテンツ内容を工夫したり、アプローチを実施することで、見込み顧客(リード)の満足度を高め、成約率の向上につながります。

チーム間の連携強化と効率化

ライフサイクルステージの活用は、マーケティング、営業、カスタマーサービスの各チーム間での顧客情報の共有を円滑にするため、各部門との連携強化とコミュニケーションの効率化にもつながります。

HubSpotでは、ライフサイクルステージを含む顧客に関する情報(例:ウェブサイト訪問履歴、ダウンロードした資料、営業担当者とのやり取りなど)を一元管理できるため、チーム間でリアルタイムで共有し合うことができます。

例えば、マーケティングチームが「ホワイトペーパーをダウンロードし、ウェビナーに参加した」見込み顧客をMQLとして営業チームに引き渡すとします。営業チームはそのデータをもとに、ホワイトペーパーやウェビナ―のテーマを確認し、その見込み顧客の関心に合致する提案を考えることができます。

また、成約後の顧客(Customer)については、カスタマーサービスがサポート対応を開始するため、営業チームから受け取った顧客の状況や導入理由などの情報を活用してスムーズなサポートを行えるといった利点があります。

HubSpotのライフサイクルステージの特徴

HubSpotのライフサイクルステージには、いくつかの特徴があります。
この特徴を踏まえたうえで設計する必要があるため、ライフサイクルステージをこれから設計するという方は、ぜひ覚えておきましょう。

ライフサイクルステージは前進が前提

HubSpotのライフサイクルステージはステージが前進することを前提に設計されています。

ライフサイクルステージを更新する方法としては、

  • 手動で更新
  • ワークフローで更新
  • インポートで更新

の3パターンがあります。

また、それぞれの更新方法ではステージの「後退」についての機能的可否や、注意点があるので以下の表にまとめました。

ライフサイクル
ステージ更新方法
前提ステージの後退
(1つ前に戻す)
の場合の機能的可否
注意点
手動前進可能
ワークフロー前進不可・ただし、ワークフローを使用して1つ前に戻したい場合、レコードの既存のライフサイクルステージ値を一度「クリア」すれば1つ前に戻すことが可能

参考:ライフサイクルステージを使用する
インポート前進不可・ただし、ワークフローを使用して1つ前に戻したい場合、レコードの既存のライフサイクルステージ値を一度「クリア」すれば1つ前に戻すことが可能

参考:ライフサイクルステージを使用する
参考:インポートでライフサイクルステージを更新する

もう少しイメージしやすいように例を挙げて説明します。
先ほど述べたデフォルトのライフサイクルステージを例に見てみると、通常、コンタクトや会社のライフサイクルステージは「ステージ1→ステージ8」に向かって前進していきます。

ステージライフサイクルステージ
ステージ1登録読者(Subscriber)
ステージ2リード(Lead)
ステージ3MQL(Marketing Qualified Lead)
ステージ4SQL(Sales Qualified Lead)
ステージ5商談(opportunity)
ステージ6顧客(Customer)
ステージ7営業パートナー(Evangelist)
ステージ8対象外(Other)

そのため、一度ステージ6の「顧客」に進んだコンタクトをステージ5の「商談」に戻す(後退させる)ことは、「手動」で更新する場合は可能ですが、「ワークフロー」や「インポート」で更新する場合は不可能です。

もしワークフローやインポートでステージを後退させる更新をする場合は、一度プロパティー値をクリアするアクションを実施し、そのあとで指定したステージに設定することは可能です。

ライフサイクルステージは自動更新の設定ができる

HubSpotには、特定の条件に基づいてライフサイクルステージを自動で更新する機能があります。デフォルトの設定では、以下のような自動アクションが設定されています。

  • 新しいコンタクトまたは会社が作成される → 自動的に「リード」に設定
  • 取引が作成される → 自動的に「商談」に設定
  • 取引が完了する(受注) → 自動的に「顧客」に設定

自動更新の設定により、営業の効率化が図れますが、自動更新が不適切なケースもあるため注意が必要です。
そのため、自動更新条件が自社の業務プロセスに合致しているかどうかは定期的に確認することをおすすめします。
また、ワークフローを活用すれば、自動更新の条件をカスタマイズできるため、より自社に適したプロセス管理が行えます。

ライフサイクルステージはコンタクトと会社で同期される

HubSpotでは、コンタクト(個人)と会社(法人)のライフサイクルステージが同期される仕様になっています。

例えば、あるコンタクトがステージ6の「顧客」に設定されると、そのコンタクトが関連付けられている会社のライフサイクルステージも自動的に「顧客」となります。

そのため、企業全体の取引状況を明確に把握するのに役立ちますが、個々のコンタクトに独自のステージを適用できないようになっています。

もし仮に、1つの企業内に複数のコンタクトが存在する場合は、個別のコンタクトとの進捗状況を把握するために、カスタムプロパティーなどを利用するのが良いでしょう。

HubSpotのライフサイクルステージ設定方法

ライフサイクルステージを設定する

①HubSpot管理画面の [設定(⚙マーク)] をクリックする

②左サイドメニューの [プロパティー] をクリックする

③検索バーで「ライフサイクルステージ」と検索する

②「ライフサイクルステージ」を選択する

デフォルトでは、下記のように設定されていることが確認できます。

④自社の業務フローに応じて、ステージの「ラベル名」や「内部名」を編集する

ワークフローを活用したステージの自動更新設定をする(リード→MQL)

HubSpotでは、ワークフロー機能を使ってライフサイクルステージを管理・更新することができます。
ここでは、「リードからMQLへの移行を自動更新」する場合の具体的な設定方法をご紹介します。

①HubSpot管理画面の左サイドメニューから [自動化] >[ワークフロー] をクリックする

②右上の [ワークフローを作成] >[ゼロから作成] をクリックする

③[コンタクトベース] を選択し、[空のワークフローを作成]にチェックを入れ [次へ]をクリックする

④名前を付ける(例:リード→MQL移行)

⑤中央の「コンタクトの登録をトリガー」をクリックし、「フィルター条件への適合時」を選択する

⑥トリガーの条件を追加する

(例)グループ1の条件
絞り込み条件:コンタクト(現在のオブジェクト)
カテゴリー:オブジェクト情報の「コンタクトプロパティー」
コンタクト情報:ライフサイクルステージ

(例)グループ1の条件
ライフサイクルステージは、
次のいずれかである:「登録読者」「リード」

⑦グループ1のAND条件を設定し、[保存] をクリックする

(例)グループ1のAND条件
絞り込み基準:コンタクト(現在のオブジェクト)
カテゴリー:オブジェクト情報の「コンタクトプロパティー」
次を設定:「会社名」に値がある
「姓」に値がある
「Eメールアドレス」に値がある

※ここまでの設定により、「会社名・氏名・メールアドレスを取得できたコンタクトは登録読者またはリードからMQLに自動更新される」というワークフローのトリガー設定の完了です。このトリガーを引き金として、ワークフローを実行させることができます。

⑧ [+条件を追加] をクリックし、「CRM」を選択する

⑨[レコードを編集] を選択する

⑩「レコードタイプ」「編集するプロパティー」「値」を設定し、[保存] する

(例)
レコードタイプ:コンタクト(現在のオブジェクト)
編集するプロパティー:ライフサイクルステージ
値:MQL

⑩ このようになっていれば、トリガーの作成完了

そのほか、「MQL→SQL」、「SQL→商談」などのステージ移行についても、同じようにワークフローを作成することで設定が可能です。

CSVファイルのインポートによるステージ更新方法

HubSpotでは、CSV形式のリードリストファイルをHubSpotにインポートし、一括でライフサイクルステージを更新することも可能です。

以下は手順です。

①ライフサイクルステージを更新したい企業の「.csvファイル」を用意する

※「.csvファイル」には「会社ドメイン名」「Eメール」など必要な情報を入力する

②「.csvファイル」で「ライフサイクルステージ」列を1行追加し、値を入れる

③HubSpot管理画面にアカウントにログインし、[CRM(顧客管理)] > [コンタクト] > [インポート]をクリックする

④ [ファイルからインポート] > [インポートを開始]  をクリックする

⑤「.csvファイル」に含まれるデータの種類にチェックを入れ、[次へ] をクリックする

⑥「.csvファイル」を選択し、以下の詳細の設定をする

・コンタクトのインポート方法を選択(例:コンタクトの作成と更新)
・会社のインポート方法を選択(例:会社の作成と更新)
・Eメールのインポート方法を選択(例:新規のEメールの作成のみ)
・言語を選択(例:日本語)

⑦データのマッピングを行う

⑧インポートの名前を入力し [インポート完了] をクリックするとインポートが完了する

インポートした「.csvデータ」が正常に反映されている場合、ライフサイクルステージが更新されます。

ライフサイクルステージ設計時の注意点

HubSpotのライフサイクルステージ設計では、いくつかの注意点があります。
ライフサイクルステージプロパティーを上手に活用するためにも、設計前に認識しておくようにしましょう。

オペレーションフローに合わせて設計する

まず、ライフサイクルステージは、自社のマーケティング活動の流れや、営業プロセスに沿って設計することが基本です。
この基本が抑えられていないと、業務の混乱を招いたり、データの一貫性が損なわれる可能性もあります。

各ステージの定義をマーケティング・営業・カスタマーサービス全体で共有しておくようにしましょう。

できるだけシンプルに設計する

ライフサイクルステージの数を増やしすぎると運用が複雑になります。そのため、できるだけシンプルにステージ設計をしましょう。

例えば、「MQL」や「SQL」を「MQL_資料ダウンロード」「MQL_ウェビナー参加」「SQL_デモ実施」「SQL_見積取得」などのようにさらに細分化することは避け、必要最低限のステージを設定するようにしましょう。

また、実際の運用途中で利用頻度が低いステージが発生した場合は、すぐに除外していくことも必要です。

セールスやマーケティング部門間で事前に協議する

ライフサイクルステージの設計や運用は、複数のチームが関わるため、設計段階でマーケティング、営業、カスタマーサービスチームと協議・共有しておくことが重要です。

チームごとに異なるステージを定義することは避けましょう。

「どのタイミングでMQLをSQLに引き渡すのか」や「どの条件で顧客をアップセル対象とするのか」など、事前に合意しておくことで後の運用がスムーズになります。

また、運用後も定期的に全体でプロセスを見直し、必要に応じて修正することも必要です。

HubSpotのプロフェッショナルに相談してみる

ライフサイクルステージを上手に活用して顧客管理を効率化しよう

いかがでしたか?
ライフサイクルステージは、自社と顧客との関係性をきちんと把握するのに適した機能です。

自社と顧客の関係性に合ったアプローチを、各部門で適切なタイミングで行うことで、次のステップへと進んでもらいやすくなります。
ぜひ、HubSpotのライフサイクルステージを活用してみてください。

この記事を監修した人

髙山博樹

ナウビレッジ株式会社 取締役CMO

上場企業で勤務後、ナウビレッジ創業メンバーとして参画。 2年でマーケティングコンサルタントとして企業規模、業界に関わらず50社支援し、150のプロジェクトを経験。 マーケティング戦略の策定から実行(サイト制作や広告運用、SEOなど)に携わる。 CMOとしても自社のマーケティング領域におけるリード獲得やコンテンツ制作を担い、そこで得た知見を活用して社内外のマーケティング活動に役立てている。HubSpot導入支援サービスの責任者。

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